アレクサンダーテクニーク教師かわかみ ひろひこ が編み出した、ピアノでトレモロをうまく弾けるようになるためのコツ

アレクサンダーテクニークのレッスンにいらした、ピアノのトレモロが苦手な方

アレクサンダーテクニーク教師かわかみ ひろひこのレッスンにお見えになった方のなかには、ピアノを演奏される方で、トレモロを弾くと、

  • 速く弾けない
  • 腕に負担がかかる

という方がいらっしゃいます。

アレクサンダーテクニーク教師が考案するピアノのトレモロを楽にする方法

以下は、アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこが考案する、ピアノのトレモロを楽にする方法です。

解決のための方法は2つあります。

  1. 全身を伸びやかにすること
  2. トレモロの回転軸を明らかにすること

全身を伸びやかにする-アレクサンダーテクニークの基本的な4つのディレクションを使う

解決のためには、まず第1に全身を伸びやかにする必要があります。

と申しますのも、苦手なところに来ると、私たちは知らないうちに、「からだ」全体(特に頭や脇の下周辺)を押し下げて、ますます演奏することを難しくする傾向があるからです。

 

全身を押し下げると、全身の筋肉が緊張します。思い通りに動くためには、

  • 筋肉は緊張したり、緩んだりする必要があります
  • ある動きを行うときに、その仕事を行う筋肉は緊張し、反対のお仕事をする筋肉は緩む必要があります。

 

 

 

では、どのようにして全身を伸びやかにするかについては知るには、次の3つ選択肢があります。

  1. このWEBの他のページを注意深くご覧になる。例えばこちらのページ
  2. 拙著『実力が120%発揮できる! ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』(ヤマハミュージックメディア)を序章と第1章と第2章のワークを本のやり方に従って実習する。
  3. アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのレッスンをご受講される

 

もっとも確実な方法は3番目です。

トレモロの回転軸をはっきりさせる-アレクサンダーテクニークかわかみひろひこ考案

手首と肘のあいだの前腕の骨のボディマッピング

さて、みなさんは、肘と手首のあいだの骨が何本なるのかについて、ご存知でしょうか? 

1本でしょうか? それとも2本? 

 

正解は2本です。

小指側の尺骨と親指側の橈骨の2本です。

 

次の問題です。尺骨と橈骨、どちらが太いですか?(いじわる問題です)

正解は次のGIF動画の通り。

アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこ考案の尺骨と橈骨のボディマッピング
右腕の手首から肘のあいだの前腕の2つの骨-尺骨橈骨(GIF動画)

 

それぞれの骨を数回繰り返し、軽くたたくと、脳の中の尺骨・橈骨のマップがはっきりします。

 

尺骨・橈骨のボディマッピング
尺骨・橈骨のボディマッピングの実習(2018年3月札幌でのレッスン風景)

尺骨・橈骨のボディマッピングは、様々なことに役立ちますが、ピアノの演奏に関しては、特にトレモロが苦手な方や、トレモロを弾くときに違和感のある方には、即効性のある効果を発揮します。

 

 

なお、骨の叩き方のコツを得るには3つの方法があります。

  1. ご自分で工夫される
  2. アレクサンダーテクニークの原理に基づいて書かれた、拙著『実力が120%発揮できる! ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』(ヤマハミュージックメディア)をご参照される
  3. アレクサンダ-テクニーク教師かわかみひろひこのレッスンを受講される

 

なお、レッスンでは、本には未掲載のより発展的なやり方もお教えします。

 

トレモロの動きの回転軸はどこか

なお、当たり前のことですが、ピアノでトレモロを弾くときには、手首から肘までの前腕は、回内・回外の動きを繰り返しますが、回内・回外の軸は、尺骨ではありません。

アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこが明らかにする、ピアノでトレモロを弾くときの前腕の回内・回外運動の軸
ピアノでトレモロを弾くときの前腕の回内・回外運動の軸
『新・動きの解剖学』などをもとに作成

 

尺骨の一部と、尺骨と橈骨のあいだと、橈骨の一美を通ります(『新・動きの解剖学』同旨)。

 

なお、図では軸は中指を通っていますが、引く鍵盤の位置によって、手首の関節が尺屈したり、橈屈したりするので、回内・回外の軸は、必ずしも、中指を通るとは限りません。

 

 

したがって、次のいずれの書籍の引用箇所は誤っています。

  • 「前腕は尺骨が軸となって回転します」『音楽家ならだれでも知っておきたいからだのこと』誠信書房 59ページ
  • 「前腕が回転するときに尺骨は動かない」「腕の小指側が回転の軸だということをイメージしながら(中略)動かせば、前腕の動きは楽で自由なものになります」『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだのこと」』春秋社 94ページ

 

親指側の橈骨の意識が強すぎて、小指側の尺骨への気づきが薄いかほとんどなかった方が、尺骨を強く意識することによって、トレモロに伴う前腕の回内・回外の動きが改善する可能性はありえます。

しかし、それは文字通り尺骨を軸にしたり、尺骨を動かさないことにより生じた結果ではありません。

 

上記の本の著者たちが誤った理由を考察しましたので、お知りになりたい方は、アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのコラムをご参照ください。

アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのコラム

アレクサンダーテクニークのレッスンで説明する、前腕の回内・回外に関する『音楽家ならだれでも知っておきたいからだのこと』の間違い

 

アレクサンダーテクニーク教師が解説する、ピアノを演奏中に手首に力が入る、手首が固くなる理由

 

ハーフ・タッチに関するあるアレクサンダーテクニーク教師の個人的な見解-杉谷昭子先生の訃報を聞いて

 

腕の重さで弾く–重量奏法・重力奏法に関する、いちアレクサンダーテクニーク教師の考察

このブログの内容は、札幌で開催した2018年3月のグループレッスンで教えた内容ですが、この日の全体のまとめは下記のリンク先をご参照くださいませ。

札幌レッスンのご報告その2:2018年3月23日(金)グループレッスン&個人レッスン

 

お悩みや課題のあるピアノ奏者向けのアレクサンダーテクニークのレッスンについては、次のリンク先をご参照くださいませ。

ピアニストの方に-演奏中の腕・肩・首・腰への負担を減らしたい方、運指を改善されたい方、オクターブの連打が苦手な方、重量奏法・重力奏法を身につけたい方

アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのレッスンの勧め

しっかりとトレモロなどのピアノ演奏の課題を解決されたい方には、アレクサンダーテクニーク教師かわかみ ひろひこ のレッスンをお勧めします。

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ABOUT US
かわかみ ひろひこアレクサンダーテクニークの学校 代表
第3世代のアレクサンダーテクニーク教師。2003年より教えている。 依頼人である生徒さんへの共感力、課題改善のための活動の動きや言葉に対する観察力と分析力、適確な指示、丁寧なレッスンで定評がある。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』、『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』(ともにヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)の著者。
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