アレクサンダーテクニークの生徒さんとお話ししていて分かったこと
以前から、話題が話題だけに、アレクサンダーテクニークのレッスンの生徒さんたちから話題を振られたときのみお話を伺ってきたのですが、舞台芸術家(演奏家)の女性の生徒さんたちとお話ししていて、舞台の本番に使用する補正下着によって、
- 体調不良になったり
- あがり症になったり
するケースがかなりあることに気づいていました。
補正下着によって自律神経に影響があるというエビデンス
関連する論文がありました。
文化女子大学 田村 照子先生の2001年の論文では、
女性の下着の役割について触れた後で、
- 腹部にはガードする骨格がないため、わずかな圧で、胃や横隔膜やその上部の心臓の位置や形を変える。
- 自律神経系にも影響を及ぼす。
- 肩こりや疲労感を増やす。
- 便秘の原因になる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/senshoshi1960/42/5/42_5_278/_pdf
論文には書かれていませんが、自律神経系に影響を与える以上、あがり症や音楽家のあがり症(音楽演奏不安)にも影響を与えそうです。
補正下着による体調不良が起こることと、舞台の本番やゲネプロという条件が重なって反復継続されることで、条件付けが行われるためなのか(脳科学的には手続き記憶に組み込まれる)、仮に補正下着をつけなくなっても、私が生徒さんとお話を伺った範囲では、舞台本番でのあがり症や不調は継続することがかなり多くあるように思います。
上記の論文や国民生活センターの調査結果は、この話題についてお話ししたアレクサンダーテクニークの生徒さんたちと共有しました。
補正下着の具体的な加圧の数値
また国民生活センターから、加圧を利用したスパッツに関して、報道発表資料が出ています。
こちらはストッキングやソックスについて書かれていて、”使い方”を誤ると
- 痛みやしびれ
- 皮膚発赤の原因となる
- 締め付けた部位より末梢での浮腫
- 静脈うっ滞による静脈血栓症
- 腓骨神経が腓骨骨頭で圧迫されることによる腓骨神経麻痺
が起こることがあると書かれています。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110408_1.pdf
上記には、「使い方を誤ると」とありますが、サイズが合わないパンティーストッキングを履くことは使い方を誤ったことになるでしょう。
そして、既製品を使う以上はピッタリとサイズがあうものは望めませんので、上記のような害は、舞台芸術家のあいだでかなり起こっているのではないでしょうか。
参考になさってください。
今回の文系調査のきっかけを作ってくださった、アレクサンダーテクニークのレッスンの生徒さんたちに感謝します。
お読みになった方たちへのお願い
拙稿をご覧になって、上記論文等の情報をお知りになり、論文やブログやSNSに書く方は、必ず拙稿(この文章のこと)を参考文献に挙げてください。
私の考察を引用するときには、必ず引用元として表記ください。
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