五輪書 火之巻に「新たになるということ」というのが書いてあります。
いついかなる場面でも、うまくいかなくなったら、今までの「気」、すなわち注意の払い方や意識の仕方を変えなさいと言っています(「気」を気分と翻訳している方がいらっしゃいますが、明らかに古典の用法を知らない誤訳です)。
宮本武蔵という方はとても深いことをおっしゃってくださっているのですが、現代人にはいささか難しいかもしれません。
(以前、五輪書に書かれていることとアレクサンダー・テクニークの原理の共通点について、書きましたので、もしご興味をございましたら、『「五輪書 水之巻」に書かれたアレクサンダーテクニークの原理』をご覧くださいませ。)
ところが最近同じようなことを、現代人にもっと分かりやすく書いてある文章を見つけました。
以下に引用します。
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♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 引用ココカラ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪
落ちるリンゴを待つな
新社会人おめでとう。君は今どんな職場で出発の日を迎えただろうか。
それがどんな仕事であれ、そこは君の人生の出発点になる。
仕事とはなんだろう。
君が生きている証しが仕事だと私は思う。
大変なことがあった東北の地にも、今、
リンゴの白い花が咲こうとしている。
皆、新しい出発に歩もうとしている。
君はリンゴの実がなる木を見たことがあるか。
リンゴ園の老人が言うには、落ちるリンゴを待っていてはダメだ。
木に登ってリンゴを取りに行こう。
そして、一番美味しいリンゴを皆に食べてもらおうじゃないか。
一、二度、木から落ちてもなんてことはない。
リンゴの花のあの白い美しさも、果汁のあふれる美しさも、
厳しい冬があったからできたのだ。
風に向かえ。苦節に耐えろ。
常に何か挑む姿勢が、今、この国で大切なことだ。
夕暮れ、ヒザ小僧をこすりつつ一杯やろうじゃないか。
新社会人の君達に乾杯
伊集院静
♪♪♪♪♪♪♪♪♪ 引用ココマデ ♪♪♪♪♪♪♪♪♪
新社会人の方たちだけでなく、すべての人にとって、常に原点に立ち返り、新たな気持ちで挑み続けること。
失敗しても、また原点に立ち上り、状況に応じて、注意の配り方、意識の仕方を変えて、また挑みつづけること。
少なくても、私は大きく揺さぶられましたし、常にそのようにありたいと思いました。
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