1月17日(日)は、アレクサンダー・テクニーク&ボディマッピング・ワークショップの3日目でした。
9時15分から12時45分にグループレッスン。直前に1名キャンセルがあり、11名の勇者たちがご受講されました。
ドラム奏者の男性
トロンボーン奏者で吹奏楽演奏トレーナーの方
ピアノ教師の女性
ピアノ奏者の女性
ピアノ奏者の男性
アマチュアのフルート&パンディエロ奏者&演劇の方(2回目)
声楽家の女性(初参加)
ドラム奏者の方(初参加)
ジャズダンサーの女性(初参加)
オーボエ奏者の女性(初参加)
ファゴット奏者の女性(初参加)
今回も、右を向いたり、左を向いたり、
腕を持ち上げたり、下ろしたり、
上を見たり、下を見たり、
立ったり座ったり、
歩いたり
などをアレクサンダー・テクニークの原理を使う前と使った跡で行って、アレクサンダー・テクニークの原理を経験していただきました。
今回は少し説明の仕方を変えて、日常生活のなかで行うだけではなくて、ルーティンのワークとしてやってもよいですよというお話をしまいた。イギリスのアレクサンダー教師風に言えば、work on myself ですね。
さて、このワークを行った後、おひとりおひとりの受講者の方が持ってきてくださった課題にアレクサンダー・テクニークを使って取り組みます。
ドラム奏者の男性は、いつも個人レッスンを2レッスンまとめてご受講くださっている方ですが、今回は初回のグループレッスンでした。グループでは、パンディエロという楽器の演奏について行いました。手を下におろすときとあげるときもにそれぞれパンディエロを叩くのですが、上げるときに叩きにくいそうです。
実は私たちの脳みそには私たちの肉体だけではなく、「からだ」の周りの空間もマップされています。身体近接空間(ペリ=パーソナル・スペース)と言います。ところがこの空間の地図ですが、特にパンディエロやギターや琵琶やマンドリン一五一会などの撥弦楽器を演奏するときに、手のひら側の空間のほうは濃くはっきりしているのですが、手の甲側のほうがうすくぼんやりしがりです。
しかし、それでは、手の甲側で楽器に向かうときにあまりよい音が出ないし、コントロールもしにくくなります。
そこで、手の甲側の空間について濃く注意を向けていただくと、演奏の音やリズムが変わりました。
ピアニストの方たちとは、指先が楽器に向かうときの肩甲骨の動きについて、ワークしました。指先が鍵盤に向かうときに、背中は広くなり、腕の動き始める最初から肩甲骨は上に外に向かいます。
そうでないと、広背筋が収縮して、二の腕が降りようとするとの、演奏しにくくなるのです。
そして、少なくとも、エスケープメントのところまで、身体近接空間に含めるための練習方法も2つ公開しました。
1つは傘を2本使う方法。
もう1つは、だれかに手伝っていただき、片方の腕の両手で掴んで貰う方法。
フェルト付きのハンマーが弦を叩くところまでマップできて、ようやく出したい音の響きとの出会いが始まります。
そして、ピアノ演奏に関しては、指先が降りるときに、脇の下・胴体を下に潰さない(押し下げない)ことも強調しました。
今回が2回めのアマチュアのフルート奏者の方は、今回は演劇のセリフの発声がうまくいかないとのことで、それについてレッスンしました。喜劇なのだそうですが、このシーンのセリフはシリアスにそしてきちんと声が通らないと、芝居が潰れてしまう。けれど、正座して、発する声が思いのほか通らない。
じつは座る動き、あるいは中腰になる動きなど、低い姿勢になる動きというのは、私たち自身を潰しがち(押し下げがち)です。そうなると、「からだ」は本来の背骨と横隔膜でサポートされませんし、もちろん声も出ません。
そこで座るときに、アレクサンダー・テクニークの基本のディレクションを思っていただきます。
デリケートに頭部の重心を解放して(首が自由に頭が前に上に)
胴体の奥行きを思い出すと、胴体の背中側・側面・正面が解放されて、股関節も開放されて
太腿がなが~い、なが~い(両膝が前にそしてお互いに離れていく)
座る動きが完了するまで、ぜったいに股関節は解放し続けます。
ところが片方の踵が浮いて、膝が低くなると、前の脚(膝や太腿)に負担がかかります。
それを避けるには、両脚に均等に乗る必要があります。しかし、それでは踵が浮く方の脚の膝に過剰な負担がかかります。
それを避けるためには、ふくらはぎから足関節から踵・そして空間への斜め方向のディレクションを思う必要があります。
そしてそのように座って、セリフを言うと、声は出ます。
初参加の声楽家の女性とは、アレクサンダー・テクニークの基本のディレクションを思って、胴体の奥行きと股関節を解放することに特に注意していただきました。
そして表情筋を解放する、エア・ハブラシ・ディレクションを使って、発声がより伸びやかに響きのある声に変わりました。
はじめて受講されたドラム奏者の方は、私が10数年前にはじめてレッスンをしたドラム奏者の方と同じお教室に通っていて、かつてプロ活動をしていた方でした。ドラムを叩くときに、脇の下や胴体を押し下げないということを行うと、腕にかかっていた負担がなくなりました。
ジャズダンスの先生とは、腕を上げるときにとても緊張させている生徒さんとどのようにレッスンするかということをしました。動きをむりやり行ってしまう方たちが多いのだそうです。
腕を持ち上げる前の立っている状態のときがすでに力んでいるのはなないかと、ワークしました。
やはり視界への注意は重要です。後日伺ったお話によると、これがもっとも生徒さんに効果的に働いたようです。
あらゆる芸事において、誤った基礎の上に何を重ねても意味はありません。しかし、楽しむためにいらしている生徒さんにあまり厳しく基礎ばかり指導したら、生徒さんたちは面白くなくなってこなくなる。これはアレクサンダー・テクニークのレッスンでもそうですが、いかにご興味を持っていただいて、楽しく、そして基礎やコンセプトを組む変えていくお手伝いができるかということは、私にとっても大きな課題です。
オーボエ奏者の方とファゴット奏者の方は、プロでお友だち同士でした。
息を吸うのにどのようにしたら、楽になるかということと、
楽器を支えるときぶ負担を軽くしたい
というご希望をお持ちでした。
アレクサンダー・テクニークの基本のディレクションを思って、胴体の奥行きを思い出すと、二の腕を下に下ろす筋肉(広背筋)等が緊張しません。
そして、楽器の重さと胴体の重さとのバランスを撮るようにすると(けっして胴体を後ろに傾けるのではありません)、楽器を軽く支えることができ、息も楽に入ってきます。
なぜならば、息が入る結果胸郭・肺が膨らむのではなくて、胸郭・肺がふくらんだ結果、中が陰圧になり、空気が入ってくるからです。
背中側を固めて楽器を持つと、空気も吸いにくくなるのです。
オーボエ奏者の方とは、音の響きを増すために、股関節を解放することを強調しました。
ファゴットの方とは、左右半身にかなんル重さの違いを左右半身のディレクションで支えることで、楽に支えることを行いました。
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