米国大統領選後の混乱-月刊『ムー』と『機動戦士ガンダム』に学ぶ陰謀論(今回はトランプ・クーデター支持者)の危うさ

週刊プレイボーイ2021年5号

なぜこの画像を使ったか、最後まで読んでいただければ、分かります。

2020年のアメリカ合衆国大統領選の前後に広がり、当選結果が出た後も、日本ではトランプ陣営が仕掛けた陰謀論が広がり続けました。

当初は無視しようとしていましたが、専門分野でたいへんご活躍されている方たちや、非常に社会的に貢献している方たちのなかにも、そういった陰謀論を支持する方たちが多く現われました。残念ながら、そのなかには、私の知人も多く含まれていました。

なお私が確認した範囲では、アレクサンダーテクニーク教師には、陰謀論にはまった人はいませんでした。これらアレクサンダーテクニーク教師が能力的に優れているというよりも、アレクサンダーテクニークのワークの構造(特にインヒビションディレクション)が大きく関わっていると考えます。

 

インヒビションの詳細

 

ディレクションの詳細

 

そこで、facebookの個人のタイムラインやコミュニティで、警鐘を鳴らしましたが、それらの文章をこちらにまとめることにしました。

1.『ムー』の洗礼

陰謀論やオカルト、そしてごくたまに良質な科学の記事を掲載する雑誌『ムー』。小学生対象の学研さんの『科学』と『学習』や、中学生対象の『中◯コース』から移住してくる読者も多い。

私は社会人になる前は、図書館で読んだ。

この雑誌にもしばしば煽るような陰謀論が掲載されるが、長年読者していると、ほとんどが外れているのが分かる。

2020年2月号に掲載された、毎年恒例の年始の占いも、だいたい外れる。昨年のはヘイズ中村さんがコロナ関連でかなり的中したが。。。

かつて、この雑誌でしか見なかったアメリカの防諜テクノロジーのエシュロン、この記事が出て数年後に元NHKのニュースのお父さんでジャーナリストの池上彰さんがテレビ番組やご著書で話題にするようになった。池上さんが『ムー』を読んでいるか知らないが、ファクトチェックに時間がかかったのだろう。

つまり『ムー』ネタはファクトチェック前の玉石混合状態ってことが言いたいのよ。
 

 

ムー』や『ムー』で扱っている陰謀論や古史古伝、あれらはすべては好事家の趣味。そういうスタンスで読むからよいのであって、信じてはダメなんだよ。

いわゆる古史古伝あるいは偽書と呼ばれる『ホツマツタエ』を日本人みんなが読めば世界は平和になるとか、まだ世の中に出ていない旧事紀の◯◯版が世に出たら、世界中が幸せになるとかあり得んのだよ。

もし本当だったら、被災地で証明してみろよって思う。

そんなに長くではないけれど、東日本震災、熊本の震災、西日本豪雨災害、一昨年の関東の豪雨被害のボランティアに行ったけど、そういうところ行くと、どれだけ懸命に働いても、自分がどれくらい無力かって絶望するよ。

別にみんながボランティア行かんでもいいけど、ふだんから愛とか平和とか共感とか言って、セミナーしている人は責任が生じるから、ボランティアに行かないのは最悪。口に出した以上は、「世界に対して責任を取れ」と言いたい。それが孔子の主張した正名論だし、日本古来からの(本当はかなり怪しいが)言霊だろう。

 

そんな訳で、2011年には、大勢の人たちと関係を絶った。案の定、今回もそういう口先だけの人たちのなかに、陰謀論の支持者が多く出た。

しかし、悲しいことに社会的に有意義な活動をされている方たちのなかにも陰謀論者が出てしまった。それについては後述する。

 

雑誌『ムー』はそういうツッコミ力を養成するための雑誌だ。

 

 

今日本で起きているのは、どうしようもないバカ者が陰謀論に振り回されるというのではなくて、どうも『ムー』を経由していないインテリ層の人が、今回おおぜい陰謀論に振り回されているような気がしてならない。

高い理想を持ち、世の中をよくしようと懸命に努力し、活動されている。そして、周囲の無関心、無理解、制度の壁によって阻まれ、彼らの理想はなかなか実現できない。

そのように私たちが望む変化が来ないときに、私たちは世間が悪い。無理解な人たちが悪いと世界を2分しがちだ。

ライト・サイドダーク・サイド正義キリンジャッカル。。。世界を2分して、その相手を徹底的に貶め、無力化しようとし、場合によっては抹殺しようとさえする。

 

しかし、そのようなことになったら、1度立ち止まろう(アレクサンダーテクニークで言うところのインヒビション)。

インヒビションの詳細

物事がうまくいかないときには、次の4つの可能性がある。

  • 向かう方向が誤っている
  • 向かう方法は誤っていないが、方法・手段が誤っている
  • 向かう方向と、方法・手段に基本的な誤りはないが、実力が足らない
  • 私たちが思うよりもずっと時間がかかる

 

そもそもSNSで拡散されるような情報に陰謀など、絶対にない。

世界史の陰謀の例を挙げる。

毛沢東の陰謀

申すまでもなく、”けざわひがし”でも、”けざわとう”でもない。

毛沢東が1950年代後半に行った百花斉放百家争鳴、あらゆる思想の発露を歓迎する、中国共産党へに批判を歓迎するといって、自分の意見を表明した方たち、少なくとも50万人以上を失脚させた。

「これは陰謀だ」という批判に対して、毛沢東の答えは「昼間に行ったから、陽謀だ」。

いやーホントの陰謀って、怖いです。

 

古代共和制ローマの三頭政治

陰謀と言えば、古代の共和制ローマの三頭政治。

山川出版の世界史の教科書に載っているから誤解してる人が多いけれど、あれも当時の人はリアルタイムで知り得なかった情報です。

ちなみに塩野七生さんの描くユリウス・カエサルは格好よい!

 

いつもバカにしながら読んでいる『ムー』だが(みんな!「そんなトンデモ雑誌を50過ぎて読むなよ」とツッコミ入れるところだからね)、ツッコミ力を養う役には立つようだ。

 

 

 

なお、ユング心理学研究会の会長代行で、在野のユング研究者の白田信重先生から、次の一言をいただきました。

「オカルトは魂の栄養です。それを通り抜けないと駄目な大人になります(断言)。」

今回の件についての白田さんの総括をいずれ読みたい。

2021年1月13日 9:17に個人のタイムラインに投稿した内容を加筆。

 

2.『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』に見るシャアの危うさ

アニメ映画『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』という作品が今から30年以上前に放映されました。公式サイトです。

 

ちなみにガンダムの宇宙世紀シリーズでは、「宇宙」と書いて「そら」と読み、「地球」と書いて「ほし」と読みます。

この作品には、人智を超えた思いやりを持って、過(あやま)たず分かり合える新しい人類=ニュータイプという概念が登場します。

敵味方に分かれた兄妹が2度目の再会をするシーンで、このニュータイプについて話す場面がとても印象的。
ちなみにセイラさんはお嬢言葉で話します。「よくって?」とか。

 

セイラ(アルテイシア)「でも、兄さん。この戦争が始まってから。。。いいえ、それ以前から、人類の革新は始まっているのではなくて?」
シャア(キャスバル)「それが分かる人と、分からない人とがいるのだよ。だからこそ、オールド・タイプは殱滅しなければならないのだ」

この台詞にシャアという人物の理想の高さと危うさが集約されています。

 

理想や大義名分、例えば

  • 世界を平和にするために
  • みんなが分かり合えるために
  • 地球環境を守るために

これらの理想を実現するために、

  • 敵対勢力を躊躇なく滅ぼす
  • “最後の戦争”と称して、戦争を始める
  • 上杉謙信公が、神に向かって敵側の領土の住民の全員の死を祈願する。。。
  • 宗教改革を始めたことに“なっている”ルター博士が、封建領主に叛乱を起こした農民を速やかに殺せと言う(そうすれば彼らの罪が少ないから、彼らには神の国に行く機会が残る)
  • 根拠もなく、ある民族や知的障害者が有害と決めつけ、ガス室で殺したり、幽閉したり、強制的に不妊手術をしたりする(アメリカ合衆国、ナチス=ドイツ、日本、中国でかつて行われたり、現在起きたりしていること)
  • 民間人巻き添え承知で、重慶を爆撃する
  • 広島・長崎に原子爆弾を落とす
  • サリンをばら撒く(彼らのポアという発想はルター博士と基本的に同じ)

 

人類が歩んできた愚行の数々〜人類を敵と味方に分けて、敵が壊滅的ダメージを受けるまで、攻撃を仕掛けることをうまく要約しています。

 

太平洋を隔てた隣国の大統領選挙について、トンデモない陰謀論が拡散されています。残念ながら、日本では、かなり専門分野で高い評価を受けている人たちまでもが影響を受けています。

なんでも世界的な大停電と物流の停止が起こるそうです。
そしてそれらのことを引き起こすことを前提にしつつ、現職大統領であるトランプ氏によるクーデターを支持する人たち。

そんなことになれば、手術が必要な方や透析患者は死にます。寒い地方や豪雪地帯でも人が大勢死んでしまう。

 

陰謀論にぐらついている方は、シャアと同じ思考、つまり理想的な社会を実現するためには犠牲が出るにはやむ得ないという思考に陥っていないか、再検討されることをお勧めします。

2021年1月18日 14:5タイムラインに投稿したものを加筆・編集

 

3.愚痴-お前も対立を煽っていると言われた

最近、私が管理している複数のFacebookグループのグループが荒らされている。

厄介なのは、彼らが彼らの使命感を帯びた“善意”で行っていることだ。ネットで完結するお手軽な“善意”の活動ほど、いかがわしいものはない。

彼らには彼らの言い分があるのであろうと、初めは話し合おうとメッセージを送っていたが(こういうところが巻き込まれキャラなのだ)、お返事は一切なく、量があまりに多くなってきたので、今は即時に削除している。

早く終わって欲しいが、1月20日を過ぎれば状況が急に変わるとも思えない。この騒乱はしばらく長く続くであろう。

第三者から見たら、私も紛争当事者なのだろうが、私としては、あたかもいきなり自宅に生ゴミをぶちまけられ、仕方なく掃除しているだけなのだ。しかし、それが分かる人は少ない。

2021年1月18日 5:27 タイムラインの投稿した内容を一部編集

 

4.2021年1月20日以降の世界

私の知人のすーさんが友達限定で、興味深い文章をシェアした。一部分抜き出すと

みんな❣
目覚めようが眠ろうが、正気になれ‼️

引用はここまで。

 

さて、楽天マガジンで、『週刊プレイボーイ』(2021年 5号)の記事をチェックしたら、トランプ氏が狙っていたことが書いてありました。かなり的をついているように思いました。この雑誌はポルノを扱う雑誌ですが、硬派な記事も載ります。だからと言って、全肯定はしないが。。。

ものすごく乱暴に要約すると、

  • 議会に揺さぶりをかけ、退任後も共和党への影響力を残し、2024年の大統領選挙でカムバックするつもりだった。
  • ところが、彼に煽られた人たちが本気で“不正選挙”の結果を覆せると信じんでしまった。
  • そして、あれほどまでの乱暴狼藉を働いた。そして、それは想定外の事態であった。
  • 警察官にも犠牲者が出たが、ブラック・ライブズ・マター運動の際にも一貫して警察を支持してきた現職大統領は、暴徒化した支持者を非難せざるえなくなった。。。

 

そして、この記事では、次のような趣旨のことも述べています。

  • トランプ氏によるクーデターを支持した人たちが”悪者”としてあげつらわれ、公開処刑される。
  • 多くの人は「自分とまったく違う人たちの狂気」として総括する。
  • 自分と異なる考え方をする人を悪魔化する現象は危険

 

この記事で書いてある通り、アメリカ合衆国の新大統領就任後に、トランプ氏のよるクーデターを支持していた人たちは、彼らだけが“頭のおかしな人たちだった“と排除されるでしょう。

そして、なにも変わらない。(『機動戦士ガンダムUC』エピソード7のシャアの再来と呼ばれるフル・フロンタル風に)

それではマズいんだろうね。原因を深く掘らなければ。

私の知人のある賢人がおっしゃっていましたが、
レイシズムをまるで持ち合わせていない人はいない。
・だれにでも選民意識がある。
承認欲求のない人はいない。
・陰謀論に騙されない人はいない。 

 

イエス・キリストが言ったように、「今まで罪を1度も犯したことのない人が、その罪人(つみびと)を石で打ちなさい」

今回のことが私たちの中にある、暗い部分を直視するきっかけになればと思います。

 

お読みになって、私のことを単なるガンダム・ヲタクだと思った方、甘いよ。

 

私は筋金入りのガンダム・ヲタクだ!

ただし宇宙世紀の正史のみ。

そして、ZとかZZとか逆シャアとかは認めない。

 

 

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