ディレクション

更新日:2014年9月15日

アレクサンダー用語。

癖を防いでプライマリー・コントロールを発動させるために、自分自身の気づきと注意力を使って「からだ」に与える方向。

 

同義語 order(オーダー)。order the directionsとつなげて用いることもある。 

 

広義ではミーンズ・ウェアバイmeans wherebyを含む。

 

インヒビション->ディレクションというプロセスを経ると、自分自身の「からだ」を押し下げたり、押しつぶしたりする癖(生理学で言うところの主働筋と拮抗筋の共収縮)を防ぐことができる。

その結果、伸びやかに活動できるようになり、「からだ」の違和感が減り、快適になる。

 

ディレクションが起こるときには、かならずオポジション(メインのディレクションや動きに対応または対抗するディレクション)がある。地面に足がついているときには、UPは、必ず地面に足が適切に着地しているオポジションが前提になっている。

 

代表的なディレクションに、4つのディレクションやバック・バック・ディレクションがある。

4つのディレクション

 

バック・バック・ディレクション

 

F.M.アレクサンダ-の弟子のマージョリー・バーストウは、別のディレクションを用いた。

マージョリー・バーストウのディレクション

 

忘れられがちだが、ディレクションについては、”与える”ものなのか”受け取る”ものなのかという重要な論点がある。

 

 

言葉の解釈だけで、ディレクションを身に着けるのは無理であることは言うまでもない。

 

 

4つのディレクション

全身に起こる主な押し下げ癖、言い換えると生理学的な主働筋と拮抗筋の共収縮(同時収縮)を防ぐための具体的な指示である。

 

Allow the neck to be free, in such a way so that the head go forward and up, in such a way so that the back lengthen and widen, in such a way so that the knees go forward and away, all together, one after another.

 

首が自由になるのを許しましょう。

どんなふうにかというと頭が前に上に行くように、

(”頭が前に上に”とは)どんなふうにかというと、背中が長く広くなるように、

(”背中が長く広く”とは)どんなふうにかというと、両膝が前にそしてお互いに離れて行けるように。

すべてが同時に、そして順番に。

in such a way so that(それがどんなふうにかというと)を省略することもある。

ネック・ディレクション

Allow the neck to be free,

冒頭のallow とは、起こることを許すこと。本来そうなることが起こるままにという意味。

“the neck to be free”の意味について、パトリック・マクドナルドは、教師トレーニング・コース在籍中に、F.M.アレクサンダーに「環椎後頭関節を自由にという意味か」と尋ね、F.M.アレクサンダーは「そうだ」と答えた。※1

 

ヘッド・ディレクション

in such a way so that the head go forward and up

頭部(頭蓋骨・額骨・脳・眼球etc.)の物理的な重心が環椎後頭関節に向かって押し付ける癖を防ぐためのディレクションであると、ウォルター・カリントンのトレーニングを修了したドン・バートンが喝破した。

ドン・バートンのその発見は、グレン・パークがその著作『アレクサンダ-・テクニークによる変容の術』に引用した。

 

 

バック・ディレクション

in such a way so that the back lengthen and widen,

実際には背中-胴体の後ろ側だけではなく、胴体の正面も、側面も長く広く。
胴体全体が広がる。

バック・ディレクションは、ヘッド・ディレクションやニーズ・ディレクションとオポジションの関係になる。

 

ニーズ・ディレクション

in such a way so that the knees go forward and away

膝の方向について、”from hip joint”股関節から、”from ankle”足首から、”from the floor”床から を補うこともある。

 

バック・バック・ディレクション

頭の動きや腕の動きや脚の動きが刺激になって、背中側を押し下げるのを防ぐためのディレクション。

 

マージョリー・バーストウのディレクション

Delicately your head a little tilt, all of you follows.

デリケートにあなたの頭がわずかに傾いて、あなた全体がついていく。

 

Delicately このdilicacyこそがインヒビションであると、マージョリー・バーストウの弟子のひとりのウィリアム・ブレナーは語った(筆者が2003年に直接聞いた)。ブレナーは、アイボディ発見者のピーター・グルンワルドの2度目の教師トレーニングをした。またグレッグ・ホールダウェイの教師トレーニングをした。

 

a little tilt もちろん傾きっぱなしではない。

 

マージョリー・バーストウから派生したディレクション

キャシー・マデン

クラシック・マージ・スタイルと呼ばれるキャシー・マデンのディレクションを年代順に。ちなみにマージとは、マージョリー・バーストウのニックネーム(愛称)。

1999年

Delicately head move, all of you follows.

2000年 

Ease neck head move, all of you follows.

“Ease neck”と”head move”とのあいだに、”in such a way so that”が省略されている。

キャシー曰く easeはverb(動詞)である。

2001年

Ease neck head move, rest of you follows.

前年と異なり、all of youではなく、rest of youになっていた。論理的には確かに正しいが。。。

2002年

Rakusa head move,all of you follows.

 

Rakusaは、Sakura(桜)のアナグラム、ある教師トレーニングを受けているトレーニーから、楽(らく)の意味を教えられて、その意味を兼ねていた、しかし別の日本人から後に日本語の楽(らく)の辞書的な意味を伝えられて、「だまされた!」と発言したという(シアトルのアレクサンダーテクニーク教師から私が聞いた)。

 

リラックスを想起させる言葉をキャシー・マデンは嫌う。もっとも、多くの海外のアレクサンダーテクニーク教師が、リラックスやそれを連想させる言葉を嫌う。

 

理由はリラックスという言葉を聞いて、たいていの人が行うのは、からだを押し下げて、スランプさせることだからである。

 

インターナショナル・コングレスで、マージョリーバーロウの「きちんと機能するのであれば、ディレクションの言葉はAbracadabraでもよい」と聞いて、インスパイヤーされたとも語った。

 

2003年

キャシーが立ったり座ったりのワークをして、生徒さん人に想起された言葉を言わせて、それでワークをした。しかし、名古屋のワークショップで、「リラックス」という言葉を言った生徒さんに対して、「リラックスはだめだ」とキャシーが注意した。

 

これに対して、「”自分で選んでいいい”と選んだ言葉をダメだというのは、NLPでいうところのダブルバインドではないか?」という批判があった。

 

こう以降、キャシーは、毎年あるいはワークショップごとに、彼女が言葉を選んで、ワークするという形態をとることになった。

 

ウィリアム・ブレナー

マージョリー・バーストウのオーストラリア・ワークショップにアシスタントとしてついてきて、そのままオーストラリアにしばらく住んだ。いちいち書くことは避けるが、毀誉褒貶の非常に多い人物。

 

ブレナーは、アイボディ発見者のピーター・グルンワルドの2度目の教師トレーニングをした。またグレッグ・ホールダウェイの教師トレーニングをした。

 

2003年から2006年、ブレナーが立ったり座ったりのワークをして、生徒さん人に想起された言葉を言わせて、それでワークをした。

 

参考文献

※1 

パトリック・マクドナルド著 “Alexander Technique as I see”

マージョリー・バーロウ著 ”An examined life”より

 

 

リンク

アレクサンダーテクニークの7つの原理

こちらも参照ください。

 

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