ミニコラム 炎のコマに見られるエンドゲイニング

アレクサンダー教師のひろひこ@(^-^)ノです。

アレクサンダー・テクニークの用語に、エンドゲイニングという用語があります。手段やプロセスを無視して、とにかく目的に突進することです。そのようにすると、全体の協調を失い、うまくいきません。ですので、アレクサンダーテクニークのレッスンでは「それはやめようね」ということを学びます。 

さて、むかーし昔「ゲームセンター嵐」という漫画がありました。インベーダーゲーム全盛の時代に生まれた漫画です。連載当時は日本がボイコットしたモスクワオリンピックの前後で、日本人選手が体操競技で活躍していた頃でした。

 

そういう時代を反映してか、主人公の技は飛んだり、跳ねたりと、アクロバティックなものになってゆきました。35歳以上の人はご存知かも。

 

さて、「炎のコマ」は、主人公はゲームのレバー操作が速く、あまりに速いため摩擦熱のために拳が燃える技です。炎は副産物で、あくまでも速いことが重要なのです。

ところがあるとき、主人公は対戦相手から水をかけられます。

 

そのときの主人公の一言「しまったーーー」

 

賢い方たちはお気づきになったでしょう。そうです。スピードが出ていればよいはずです。炎は消えても関係ないはずです。

 

こうやって当時この漫画にツッコミを入れていました。しかし、考えてみたら、いつの間にか副産物が目的と化してしまうことって意外にあるかも。

 

たとえばスポーツのトレーニングで、副産物の筋肉痛が目的になっていたり、筋肉の疲労が目的になっていたり。

 

何かを行うときには、何が必要か(アレクサンダー用語で言うところのミーンズ・ウェアバイ)、なにが不要かをはっきりさせる必要があります。

 

あなたもエンドゲイニングをやってみませんか? もとい。やっていませんか?

 

日々改善するということは、エンドゲイニングをやめていくことですね。そして同時に、けっして目標を忘れないことです。

 

初出 2010年02月13日 08:56 http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=50276826&comm_id=1240902

今回の再掲載にあたって、一部を書き改めました。

 

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ABOUT US
かわかみ ひろひこアレクサンダーテクニークの学校 代表
第3世代のアレクサンダーテクニーク教師。2003年より教えている。 依頼人である生徒さんへの共感力、課題改善のための活動の動きや言葉に対する観察力と分析力、適確な指示、丁寧なレッスンで定評がある。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』、『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』(ともにヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)の著者。
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