アレクサンダーテクニークのレッスンで質問する、首の骨の生理的彎曲はどちらにたわんでいるのか?
数回にわたって、アレクサンダーテクニーク用語で言うところの私たちの当てにならない感覚的評価、一般的な言葉で言うと「よくある勘違い」という切り口で、アレクサンダーテクニークの基本を眺めてゆきます。
当てにならない感覚的評価の用語解説はこちらです。
私たちの首の骨には美しい彎曲(わんきょく)があります。
彎曲があるというのはたわんでいるということです。右の写真ではモザイクをかけていますが、前の方にたわんでいるのか後ろの方にたわんでいるのかどちらでしょうか?
正解は、下の方に。
正解は右図のように前にたわんでいます。
アレクサンダーテクニークのレッスンでは、様々なことを行いますが、レッスンにお見えになった生徒さんの頭部や首に触れて、首の美しい彎曲を取り戻すようにお手伝いすることもします。
アレクサンダーテクニークのレッスンでストレートネックから回復する
現代人の方たちはパソコン作業やスマホの影響で、左図のようにストレートネックあるいはスマホ首になりがちですから、この首が持つ美しい彎曲を取り戻すようにお手伝いします。
上の右の写真のように首の美しい彎曲を取り戻したときに、多くの生徒さんたちは下の写真のようになっているように感じます。
最近の私のレッスンでは、現在頭や首がどのように向きになっているのか語っていただくことがありますが、たいていの方が
「顎を大きく持ち上げています」とお答えになります
しかし、生徒さんのスマホで撮影しても、そのようにはなっていません。
生徒さんが感じているのは、首の彎曲を取り戻すことによって、
-
- いつもよりも顎の位置が斜め後ろ上に行ったこと。
- 喉に感じていた違和感やつまりが減ったこと
その変化を顎を極端に上に持ち上げたように評価(解釈)されているのです。
このことからも顎や喉の周辺に比べて、頭部の上の方に関する身体感覚がうすいことも同時に分かります。
アレクサンダーテクニークのレッスンで体験的に学ぶこと
アレクサンダーテクニークのレッスンを通じて私たちが学ぶことの1つは、私たちが感じているようには必ずしもなっていないことです。その勘違いをやめていくこともレッスンの眼目の1つです
より正確に言うと、私たちが感覚的情報を使って「XXXとなっている」と勘違いしていることについて、その勘違いをやめていくことです。
さらに言い換えると、「からだ」のパーツの位置や姿勢の状態に関する感覚のトレーニングを行っていると言ってもよいでしょう。
上記の感覚を生理学では、固有覚、深部感覚または自己受容感覚と言います。
アレクサンダーテクニークは、私たちの基本的な感覚である固有覚、深部感覚または自己受容感覚のトレーニングとも言うことができます。
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