アレクサンダーテクニーク教師からの提案-私たち自身がしている癖(くせ)に気づくことが難しいとお感じになったら

更新の上掲載 2013年12月23日

初出 2012年10月15日ブログ

アレクサンダーテクニークの生徒さんからのフィードバック

私は、東京や横浜を中心に教えておりますが、しばしば札幌や仙台や静岡や名古屋や大阪や福岡等に出張します。

とくに地方出張でレッスンをご受講くださった生徒さんたちから、次のようなシェアリングをいただくことがあります。

「いろいろな癖(くせ)に気づいて、やめていくのは難しい」

アレクサンダーテクニークの生徒さんへの気づきを増やすためのご提案

たしかに、今まで注意を向けてこなかった未知のことに注意を向けるのですから、難しいかもしれませんね。

でも、少しだけ容易にできるかもしれません。

アレクサンダーテクニークでは私たち自身を観察することを必要とするが、あたかもそれは森の中で視野を適度に広げて俯瞰して見るようなものです森に入っていったことがあるでしょうか?
森に入って行くと、私たちの気配を敏感に察した動物たちが騒ぎ始めます。けれど、1つの場所を選んで、視界を広くして、じっとしていたら、やがて森は静けさを取り戻します。

そのままその場所にいると、森のあちこちから囁きが起こるのがわかるでしょう。急に鳥の大きな鳴き声に驚くこともあるかもしれません。

私たちが森に起こることに好奇心を持ち続け、そして心が静かだったら、このような森の変化を、何の努力もせずに即座に気づくことができます。あらゆる方向から、音の波がやってみて、私たちのはこれをキャッチできるのです。

私たちの(くせ)に気づくことも、これと似ているかもしれません。
一瞬、一瞬、そのときに起こる癖を、あたかも写真を撮るように、あるいは本を読むようにしっかり把握しようとすると、周囲たち全体に対する注意が失われます。

そうではなくて、森の中に佇んで、森の中で起こることに好奇心を持ちながら、受け取り続ける。

私たち自身に気づくことも、このようにするものだということに気がつけば、少しは難しさが減るのかもしれません。

環境心理学の裏付け

ちなみにアメリカの環境心理学者のレイチェル&スティーブン・カプラン夫妻は、自然の風景を見た後や実際に戸外で過ごした後は、認知機能と注意力の測定結果に大きな改善があり、思考が明晰になり、不安感が減ることを実験で確かめました。

この文章はアレクサンダーテクニークのベテラン教師のウィリアム・コナブル博士にインスパイアーされました

今回のコラムの文章の内容は、昨日(2012年10月14日)までの3日間のウィリアム・コナブル博士の内容を参考にさせていただいています。

ウィリアム・コナブル博士は、ベテランのアレクサンダーテクニーク

教師で、ボディマッピングの創始者。チェリストで、指揮者。長いあいだ、オハイオ州立大学で教えていらっしゃいました。
現在も演奏家として、そしてアレクサンダーテクニークの指導者として、世界中を飛び回っています。

「森の中で音を聞く」例え話は、日本における野外サバイバル技術(ブッシュクラフト)の第一人者でWAN主宰の川口拓さんのワークを参考にさせていただきました。

ありがとうございます。

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アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのレッスン
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かわかみ ひろひこアレクサンダーテクニークの学校 代表
第3世代のアレクサンダーテクニーク教師。2003年より教えている。 依頼人である生徒さんへの共感力、課題改善のための活動の動きや言葉に対する観察力と分析力、適確な指示、丁寧なレッスンで定評がある。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』、『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』(ともにヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)の著者。
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