
アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのご挨拶
アレクサンダーテクニーク教師のかわかみひろひこです。
2003年から教え始め、ヤマハさんから2冊を本を出しています。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』
『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』
最近は音楽家の方たちが生徒さんに、カラダの使い方をご指導できるようになれるコース、響く音メソッド®講師養成コースをしています。
アレクサンダーテクニークから生まれた響く音メソッド®の講師トレーニングの報告
2025年5月28日(水)に響く音メソッド®のオンラインの教師養成コースのグループレッスンをしました。
ヴァイオリン奏者Fさん、ピアノ奏者Yさんが参加なさいました。途中から声楽家のYさんが参加されました。
ヴァイオリン奏者Fさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン
ヴァイオリン奏者のFさんが、日本帰国後の指のむくみや、育児に起因する右手指の痛みを抱えつつも、講師かわかみの紹介で行った靴屋さんに特注の靴のおかげで、演奏時の身体的負担は軽減されているとおっしゃいました。
来週の重要な演奏会に向け、ブラームスの重音部分のボーイングと身体の連動に課題を感じていらっしゃるとのこと。
ワークの前は、Fさんには、演奏の際に腕の力が楽器に乗り切らない感覚がございました。
それに対し、次のワークを行いました。
- 足首や股関節の正しい位置を認識させるワーク
- 次に、ダウンボウとアップボウでそれぞれ左右の半身を意識的に使うためのワーク
これらのワーク後、Fさんの演奏は劇的に変化しました。
Fさん本人は
- 動きが小さく、自然になった
- 思考もクリアになった
とおっしゃいました。
また親指の痛みも忘れるほどだったとのことです。
ピアノ奏者のYさんからも
- 響きがクリアになった
- 音楽が横に流れるようになった
- 休符に音楽が感じられる
と、音質と音楽性の両面で著しい改善があったというフィードバックがありました。
声楽家Yさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン
声楽家のYさんは過去の舞台経験を振り返り、特に11月の『銀河鉄道』公演においては、団体代表として運営に追われ、舞台上でも完全に「プレイヤー」としての役割を果たせなかったことに強く反省しているとおっしゃいました。
演出家の途中降板や子供たちの誘導など、多くの裏方業務に集中するあまり、自分の歌に対する意識や質が著しく落ちてしまったのだそうです。
客観的にビデオを見返した際、ご自分が「歌っているスタッフ」のように見えてしまったとおっしゃり、今後はあくまで舞台上の「演者」としてベストなパフォーマンスをすることに集中すると決意を語られました。
その反省を踏まえて今回は違う曲を歌われましたが、下降音の部分で支えが抜ける感覚に恐怖心があると吐露されました。
そこで、アレクサンダ-テクニークの原理を使いながら、身体感覚を整えるための一連のワークを提案しました。
- ラジオ体操をアレンジした身体を横に曲げる運動・身体を前後に曲げる運動・身体を回す運動
- スワイショウ
- 壁に頭をつけて、頭と背骨の伸びやかさを取り戻すワーク
声楽家のYさんはワークの後に
- 「お尻の奥まで楽になった」と身体の変化を実感。
- 再度歌ってみると、「恐怖心が薄れた」「正しい位置に入れる感覚がある」とおっしゃいました
しかし、まだ若干の不安も残っていました。
その後、響く音メソッドのマニュアル動画に最近UPした薙刀の素振り映像を画面共有し、真似をして動いていただき、以下をご経験いただきました。
- 身体のための繋がり
- 左右半身の使い分け
- 身体の各パーツがそれぞれ少しずつ動くことによって、身体全体は大きな動きをすること
声楽家のYさんは、薙刀の素振りの動きは完全には再現できないとしつつも、身体感覚が強化され、発声やパフォーマンスの安定に結びつくことに納得しつつあるご様子でした。
感想を求められたピアニストのYさんは、声楽家のYさんの歌唱に対して非常に詳細なフィードバックされました。
1回目は方向性や色味を探る印象だった。
2回目では響きが自然になり、芯のある声とビブラートが見事に融合していたという。特に「聴いていたくなる声」への変化が印象的だったとおっしゃいました。
3回目ではさらに芯の音が太く、安定感があり、音色が明確になったとおっしゃいました。
この感想を受けて、声楽家のYさんは「もったいないぐらいありがたい」と感謝の気持ちをおっしゃるとともに、今ご自分が挑戦している曲が、これまで避けていた難曲であることを明かされました。
細く繊細なラインを安定して歌うことに自信が持てなかったが、今回の練習とフィードバックによって「こういう声を目指したい」と感じ始めているとおっしゃいました。
特にラジオ体操のような身体ワークは復習しやすく、今後も自習に取り入れていきたいとの意欲をお見せになりました。
ピアノ奏者Yさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づくレッスン
ピアノ奏者のYさんは中田喜直さんのコードが次々と変わる曲の伴奏を急遽することになって、戸惑っていらっしゃるという課題があるとのこと。
そこで視界の奥行きに注意を促すと、俯瞰して見れるようになったとのことです。
その後、内臓のボディマッピングを順番にいっしょに行っていくと、その後に行った演奏の後で、次のようにおっしゃいました。
- どっしりと座れるようになった
- 世界が明るく見えるようになった
- コードの変化もそれほど複雑には感じなくなり、むしろコードの変化を楽しみながら演奏できるようになった
声楽家のYさんからのフィードバックは次の通りです。
ビフォーは音を拾いに行くまでではありませんでしたが、「あ! こうなるのね」みたいな、ちょっとワンランクションがある感じがしました。
アフターについては、次のようなフィードバックがございました。
- 「どこ難しかったっけ?」みたいな、ちょっと意外な和音に行くところも「ああ、あれ、今、私なんか聞き逃したかな」みたいに自然に進んだとのこと。
- 音が全体的にまろやかになった。
- だから、なんか和音が独立してないっていうか、その横に流れているので、その中になんかこういう流れの中でたまたま音が重なってますよーという1つの流れがこう見えて、全然違ってすごい面白かったとのこと。
アレクサンダーテクニークの原理を使って開発した、演奏家が生徒さんにカラダの使い方を教えるようになれる響く音メソッドのトレーニング実施中です。
説明会は随時開催します。
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