
アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのご挨拶

アレクサンダーテクニーク教師のかわかみひろひこです。
2003年から教え始め、音楽系大手出版社のヤマハさんから2冊を本を出しています。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』- 『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』
2024年から、演奏家が生徒さんに、からだの使い方を教えることができるようになれる響く音メソッド®の講師トレーニングをしています。
アレクサンダーテクニークから生まれた響く音メソッド®の講師トレーニングの報告
2025年7月13日(日)に響く音メソッド®のオンラインの講師養成コースのグループレッスンをしました。
今回の受講者は、ピアノ奏者・ピアノ教師のYさんとTさん、声楽家のYさんです。
ピアノ奏者Yさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン

Yさんの生徒さんおふたりがPMFに参加
管楽器の生徒さんおふたりがパシフィック・ミュージック・フェスティバルに参加。ファゴット奏者は室内楽でも演奏予定で、その機会に写真撮影を予定されているとのこと。
かわかみは、インスタグラムでお教室の実績としてアピールすることをお勧め。
9月からの充実した演奏活動スケジュール:声楽コンサートの日本歌曲伴奏、20年ぶりのオーボエとの共演(子育て期間とバロック重視のため長期間離れていた)、作曲家テンの新曲発表コンサート、10月の室内楽トリオでブラームス演奏など。
準備の大変さを草取りしながら考慮中と報告。草いじりの際に座骨や背中側の意識を持つことで作業効率が向上することも発見。楽譜のコピー作成や製本作業の必要性について言及。
カナダ人作曲家の日本テーマ楽曲演奏 1919年生まれのカナダ人作曲家ワイスバーガーの楽曲を30年ぶりに演奏。日本に関する組曲「ミセラニー(寄せ集め)」から「樹の子守唄」と八橋検校の「八段の調べ」をモチーフにした2曲を選択。
バランスボールワークによる音色変化 バランスボールを使った段階的な身体意識向上ワーク:
1. 基本の跳ね(頭の高さ、胴体の奥行き、太ももの長さ意識)
2. 座骨の斜め後ろ下成分追加
3. 胴体の奥行き成分追加
4. 足裏の成分追加
最終段階で最も安定したバランスを獲得。その状態で演奏した結果、音量は変えていないのに音の厚みが劇的に増加。左手の響きが特に豊かになり、お琴のような和の音色を獲得。和声も洋楽でありながら和楽器の響きのように聞こえる変化を実現。
矢崎さんの伴奏指導 矢崎さんはフィンジ作曲のシェイクスピア歌詞による歌曲の伴奏を演奏。右手の3度の動きと左手の二分音符の組み合わせで、もっと意味のある表現を求めていた。
かわかみは頭部と背骨の関係を調整するワークを指導。頭がリードして背骨がついてくる動き、そして尾てい骨がリードする動きを繰り返し、頭の高い位置での余韻を保ったまま演奏するよう指導した。
ワーク後は温かい空気が流れる音楽表現ができるようになり、参加者からも「ずっと聞いていたい」との感想が寄せられた。
ピアノ奏者Tさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン

生徒さんとのレッスンのご報告
前回レッスンで学んだ「浮いてしまう」問題で、脇の下に指を入れて脇の下を押し下げていることに気づき、脇の下を押し下げるのをやめて解決しました。
翌日、同じ悩みを持つ生徒レッスンで同じ手順を試したところ、生徒さんの指が浮いてしまう問題は解決したそうです。
モーツァルト演奏でトリルがうまくいかないお悩み
モーツァルト演奏について大きく進歩されたことについて、ご報告がありました。
以前は「好きだけど弾けない作曲家」だったそうが、身体が整ってきたことで弾きやすくなったそうです。
しかしトリルで新たな課題が発生しました。指が速くなりすぎて音にならず、「詰まる」感覚があるのだそうです。
「詰まる」の意味が分からなかったので、質問したところ、Tさんご本人によると離鍵に問題があり、あたかも指が痙攣しているような状態になっているそうです。
またなんとか弾けるときにも、今度は「パカパカ」した音色になる問題を指摘。美しいトリルに憧れていらっしゃるそうです。
可能性として、総指伸筋が緊張している可能性を申し上げ、総指伸筋の起始からトリルに関わる指の停止までを長い長いと思うことで、総指伸筋の過剰な緊張をやめていただきました。
そして、縦にも横にもアーチのある手の形(打鍵する前の手の形)を定着させるために、アレクサンダーテクニークの伝統的な手順であるウォールワークを発展させた、にゃあのワークを行いました。
そして教具と使って、脇の下を押し下げずに腕を前後にするワークを行いました。
それぞれのワーク後に演奏していただきましたが、段階的改善が確認され、音色と技術が向上されました。
ピアニストのYさんからのフィードバック
- こちらに聞こえてくる音が最初はあの重なって聞こえていて、それはZOOMでオンラインで効いているせいかもしれないなと思いながら聞いてました。
- で、えっと、総指伸筋が長くの後から、だんだんあの変化が生まれて、あの音がちょっあの聞こえやすくなった
- なんと腕の筋肉が動けている感じになった。
声楽家のYさんからのフィードバック
- 指が1つ1つが独立して動いて、音が粒がそろそろっていくみたいな感じ。
- いちばん最後のがコントロールできてるなっていう感じ
モーツァルト作品で左右の手がずれる問題
武田さんのピアノ指導 武田さんはモーツァルト作品で左右の手がずれるお悩みを抱えていらっしゃいました。
最後の小節で特にずれが生じ、通常は右手を弱く弾いてごまかしていた。
かわかみはブレインジム(教育キネシオロジー)の8の字を描くワークを以下のようにアレンジしたものを指導しました。
- 手の形は機能肢位にする。
- 両手で8の字を描くときに、全身を大きくしたまま、肩甲骨が外へ外へ、胸横筋が外へ外へと思う
これは左右半身の調整する効果があります。
ワーク後は演奏に余裕が生まれ、最後の危険な箇所も安定して演奏できるようになりました。
声楽家のYさんからのフィードバック
- 余裕があって安定して聞こえるようになった
ピアニストのYさんからのフィードバック
- 右手も綺麗だし、左手はすごく魅力的
- もうバッチリ
声楽家Yさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン

Yさんは最近演奏活動やお子さんたちの行事でお忙しく、レッスンに参加できず、久しぶりの参加でした。
言葉の意味が分からなくても美しいイタリア語の響きを伝えたいという理想
Yさんはチマーラ作曲の「雪は降る」をイタリア語で歌われました。11月のコンサートでの演奏を予定しており、言葉の意味が分からなくても美しいイタリア語の響きを伝えたいという理想を持っていました。
しかし、Yさんご本人がおっしゃるには、最初の演奏では音楽に追われる感じで、声を鳴らすことに意識が向いてしまっていたそうです。
そこで、かわかみはアレクサンダーテクニークの原理を使う歯磨きワークをしていただきました。
上の歯の表側を磨く動作で表情筋に働きかけ、それによって顔面神経に働きかけます。
またアレクサンダーテクニークの原理を使って左右を向く動きで、首の大きな筋肉(胸鎖乳突筋、僧帽筋)を調整した。これらの筋肉は副神経に支配されており、副神経の働きを調整します。
顔面神経・副神経ともにポリヴェーガル理論における腹側迷走神経複合体の構成要素として、他者とつながる効果があります。コミュニケーションを円滑にする効果があるので、言葉が相手に伝わりやすくなります。
詳細は、拙著
- 『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』をご覧ください。
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アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこ著『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』(ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)
その後、再びYさんに演奏していただきました。
ワーク後の演奏では、Yさんご本人曰く
- 歌いやすさが全然違う。歌い出しから楽。
- 息の使い方が改善し、言葉の表現に集中できる余裕が生まれた。
- 特にイタリア語の「fiocca」のf音の美しさを表現できるようになった。
ピアノ奏者のTさんからのご感想は次の通りです。
- Yさんの演奏は最近パソコンの画面越しとは思えないほど響きが豊かになっているが、ワークの前から演奏の響きが豊かだった。
- ワークの後は、歌詞がものすごく聴こえて来た。
ピアノ奏者Yさんからのご感想は次の通りです。
- ワークのビフォーとアフターで、歌声の聴こえ方は全然変わった。
- ブレスが音楽のなかに入った。
- ビブラートが明るくなった。
- 異質な音ハーの音かなんかに変わる瞬間に、そこが音楽的に本当に、あのエッセンスとして、あ、何言ってるんだろうっていう感じになります。もうそこで感じるものが、きっと何かが起こっているので、言語が日本語ではないので意味は分からなくても、気持ちが伝わる瞬間だったと思います。
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アレクサンダーテクニークを生かした音楽家がカラダの使い方を教えるようになれるクラスの記念写真_2025年7月13日(日)
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響く音メソッド®は、アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこが編纂した、音楽の先生が生徒さんにカラダの使い方を教えるようになるためのメソッドです。
現在講師トレーニング実施中です。
説明会は随時開催します。
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