かわかみひろひこさんには、個人的にレッスンを受けたり、私の勤務先の埼玉大学へグループレッスンに来ていただいたりして、浅からぬご縁が続いています。
かわかみさんのレッスンでは、解剖学・生理学に関する啓発的な教示と、楽しみながら動作の問題点を自覚させる遊び心とが、魅力になっているように思います。呼吸の浅いことからくるいろいろな問題を自覚していた私にとって、肋骨が背中の方へふくらんでいることを思い出せてもらい、体感させてもらったことは大いに助けになりました。
ちょっとした認知の癖が、日々の動作のそのたびごとに背中を圧迫して自分の体を苛め続けているのだと思うと、自分の愚かさにあきれるばかりです。ですが、アレクサンダー・テクニークの面白さは、単に体が楽になるということだけでなく、こういう認知の癖をふくめ、自分の体と意識を研究してみようという気にさせてくれるところにあります。
アレクサンダー教師でいらっしゃるかわかみさんは、多分野の学術書とも格闘しながら指導方法の研究・試行錯誤を怠りなく続けておられ、知的探求における対話相手になってくださるという意味でもよい教師でいらっしゃると思います。今後のさらなるご発展を祈ってやみません。
高橋克也(たかはしかつや)・埼玉大学教養学部教授・哲学
プロフィール
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