8月27日(日)カワイ楽器横浜店様で、演奏家向けのアレクサンダーテクニークのお講座をさせていただきました。ほとんどの方がピアノの先生でした。
今までの楽器店向けの講座の資料が分厚いので、担当者の方とお話ししたら、ページ数を少なくして欲しいというリクエストがございまして、今回新しい資料をパワーポイントで作り直しました。
しかし、1ヶ月半前に作ってみなさんに当日お配りする物よりも、当日スクリーンでお見せした物の方が、1.5倍枚数が増えましたけど。。。
事前にほとんどの方がピアノの先生だと伺っていたので、今回の資料は、ピアノを演奏に特化した内容になりました。
資料作成のために、改めてピアノ演奏に関する本(しかも私が厳選した良書)を5冊ほど読み返しました。
改めて読むと、おのおのの本の内容が矛盾していたり、ある本について全体的には賛成できても、ある部分について賛成できなかったりと、いろいろと発見できて、準備段階がまず楽しかったです。
当日は、やっぱり事前に用意した資料は無視して体験型のレッスンを初めて、途中から資料を参照しながら、プラクティカルにレッスンを勧めました。そのスライドから数枚。
腕を動かすときにやってしまいがちな癖(くせ)
写真は、全身のコーディネーションを整えつつ、腕を持ち上げる動きをやっていただいているところです。特に背中側の立体的な広さと肩甲骨の動きが鍵になります。
腕を持ち上げるときに、大抵の方たちに起こるのは、背中側の押し下げと、肩甲骨の押し下げです。
写真も見ても分からないと思いますので、念のため付け加えますが、私が腕を持ち上げているのではなく、生徒さんご自身に持ち上げていただき、私は腕に手を添えているだけです。
指先が鍵盤に向かうときや、打鍵するときにも次のことが起こりがちです。
指先が鍵盤に向かうときには
- 背中側を押し下げる=胴体を反らせる
- 肩甲骨周辺を押し下げる
打鍵の際に
- 背中側を押し下げる=胴体を反らせる
- 肩甲骨周辺を押し下げる
受講者のみなさんの反応はかなりよかったです。けれど、
「肩甲骨の動きがわかりにくいから、先生、脱いでください」と言われたときには、ちょっとびっくりしました。
ipadのアプリケーションソフトで、腕を動かすときの肩甲骨の動きのよい見本と押し下げのある見本を見ていただきました(後者のアプリも別に悪い見本で作られたのではないのですが、たいへん癖のある動きを収録した日本製のソフトウェアです)。なにを使っているかは、ヒ・ミ・ツです。レッスンにいらした方にはお知らせします。
途中でカメラの電池が切れまして、写真はありませんが、4名の方とピアノ演奏に関するレッスンをしました。
そして、120分の講座でしたが、30人以上いらした方全員と少なくとも1回は手を使ったレッスンをしました。
ピアノの演奏中にやってしまいがちな癖(くせ)
曲の難しいところに差し掛かると、私たちには意図せず「からだ」を押し下げてしまう傾向がります。
それで演奏しやすくなればよいのですが、残念なことに、実際にはますます演奏が難しくなってしまいます。
レッスンでは次のことをしました。
- イスに座るときに、「からだ」を押し下げないように
- 指先が鍵盤に向かうときに、少し余裕を与えて、4つのディレクションを思い、さっと指先が鍵盤に向かったら、すぐに演奏を始める。
- 演奏中に「からだ」が動くが、「押し下げない」
- 指が鍵盤に降りるとき(打鍵するとき)、脇の下を押し下げない。
- 打鍵の瞬間に切り替わる”二の腕”の動き=古屋審一先生の”しなりを使った奏法”
- フォルティッシモ・ピアニッシモで演奏するときのディレクション
- アクション構造とダンパまで、脳の中の「からだ」の地図を拡張する
- 指を開きやすくする基本的なアイディアとディレクション
- 胡弓と支えの非常識な関係
- 視界と支えの非常識な関係
- ペダリングに役立つ、足関節のディレクション
写真は、今年創業90周年のカワイ楽器様が創業70周年の記念に特別発注した源氏パイです。 お講座の後に、お土産としていただきました。
カワイ楽器 様、創業70周年おめでとうございます。
アシスタントとして、ピアニストの辰巳京子先生にいらしていただきました。
受講者の方たちのご感想を楽器店の担当者の方が送ってくださいました。
・意識を変えるだけで身体が変わるのが不思議で、この様な事が必要だと思った。
・体験出来て不思議な気持ちになった。また、無駄な力を使っていると分かった感じがする。
・弾く際の意識1つで全く弾きやすさが変わるという事が面白かった。
・とても面白く衝撃的だった。 ・かなりのあがり症なので周りの景色をシャットアウトしていたが、逆だったと分かり為になった。
・かわかみ先生にみて頂いて前向きな気持ちになった。
・どの様にすると楽に演奏できるのかポイントが分かりやすかった。 ・とても楽しく、目からウロコな発見があった。
・興味をもった、もっと深く勉強してみたい
ピアノを演奏される方やピアノを演奏される方のレッスンは随時行っています。詳細は下記のリンク先をご覧くださいませ。
ピアニストの方に-演奏中の腕・肩・首・腰への負担を減らしたい方、運指を改善されたい方、オクターブの連打が苦手な方、重量奏法・重力奏法を身につけたい方
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