ご報告:1月14日(土)東京ピアノを演奏する方のためのアレクサンダーテクニークのクラス

一昨日の1月14日(土)は、10時10分から17時50分まで、東京でピアノを演奏する方向けのアレクサンダーテクニークのグループレッスンを行いました。

 

10数年くらい前までは、7-8時間のグループレッスンをよくやっていたのですが、最近は2時間30分から3時間30分くらいのものを多くやっているので久しぶりです。

 

開催前の数日間、目が覚めると気分が悪かったのですが、この日は4時に目が覚め、正体が分かりました。
この日の講座のために用意していたテキストの章立て・構成全面的に書き換えることにし(文章も一部)、家を出る直前までテキスト造りをしました。

これでずいぶんすっきりしました。

 

今回は、この講座を熱烈にリクエストされていた方たちがいらっしゃらなかったり、おそらくいらっしゃるだろうと思っていた方たちがいらっしゃらなかったので(取らぬ狸の皮算用です)、想定していたよりもいらした方は少なく、5名でした(写真に写っていはいけない方たちがおふたりいたので、写真の人数はもっと少ないいですが)

そのうち初対面の方はおふたり。

 

最初に、受講者同士の方たちをよく知っていただくため、いつもよりも長めの自己紹介タイム。もちろん私もお申し込み時のやり取り以外で得たのとは異なるリクエストを受け取ることもできます。

その自己紹介のあいだに肩がいつも凝っているという方がいらしたので、簡単に肩を楽にする方法について行いした。

動画 二の腕を捻じるだけで肩が楽になる。

 

 

動画 肘から先(前腕)を捻じるだけで肩が楽になる。

 

 

「あっ、楽になった。これだけで来た甲斐があった」

とおっしゃてくださいました。もちろん、こんなことは序の口です。

 

自己紹介のあと、レッスンを開始しました。

がんばらなくても、ふんばらなくても、サポート(支え)が強くなる方法、あるいは斯界と支えの非常識な関係について、ワークしました。

このワークをはじめて経験される方がこんなに簡単な方法で、横から押されてもびくともしなくなることに驚かれます。

 

詳細は文章で説明すると煩雑になるので、割愛します。

 

そして、頭を右に動かしたり、左に動かしたり、腕を持ち上げたり、下したり、上を向いたり、下を向いたり という動きや立ったり、座ったり、歩いたりということを、アレクサンダーテクニークの原理を使うとどのようになるのかということを体験いただきました。

今回はピアノを演奏吸う方向けの講座でしたので、特に建販委指が向かうときに、いかに背中側や肩や胸から腕に向かう筋肉を緊張させてしまうのかということは、かなり詳しく行いました。

念のために説明を付け加えますが、筋肉が緊張(収縮)するのがいけないのではなく、腕を持ち上げるときに、腕を下す筋肉を緊張させてしまう(拮抗筋を共収縮・同時収縮させてしまう)ことが、腕の動きの自由を奪うのが問題なのです。

そして残念なことですが、私も含め多くの方たちが、ピアノを演奏するときに、あるいはパソコンを操作するときに、そのような拮抗筋の共収縮をします。F.M.アレクサンダー(1869-1955)は、その癖を押し下げpulling downと呼びました。

講座の内容に比べ、かなりの簡略バージョンですが、こちらをご参照ください。

 

そして、全員の方と課題のあるパッセージについて、実際にピアノを演奏しながら、レッスンしました。

例えば右手が下行するときの、肩甲骨が内側に動く癖を防ぐと、腕と胴体がぶつからなくなり、演奏がより自由になります。

 

午前の部は12時50分に終了。最後は皮膚のボディマッピング「皮膚、皮膚。。。」を行いました。この手順も以前はグループレッスンや大人数の講座で行いましたが、自律神経系が乱れている人が行うと、イリノイ大学のポージェスの言うところの”凍りつき反応”が出て、好ましくないので、最近はあまりグループや大人数の講座では行いません。内容については、割愛させていただきます。

 

 

お昼になり、全員で近くのインド料理屋さんに行きました。自己紹介を再度した後に、噛むのときに起こりがちな頭部の押し下げとそれを防ぐためのディレクション。

 

そして、噛み癖のある方がいらしたので、顎を解放するディレクション3つ。自律神経系を落ち着かせる効果もあります。

 

 

 

 

 

 

 

眠っている間の歯ぎしりについても、昼食中にリクエストいただきましたが、今回は行いませんでした。また次の機会に。

また昼食のあいだに、自律神経系の仕組みに関する多重迷走神経理論について、説明しました。イリノイ大学の脳神経科学のポージェス博士によると、」私たちの自律神経には他者とつながるこちらをご参照ください。

 

午後は、アレクサンダーテクニークのインヒビションとディレクションの手順で、私たち自身の自律神経系の働きが変わり、それによって他者の自律神経系の働きも変わるということを、簡単なワークで確かめました。

この手順は、通常は数回個人レッスンをご受講いただいた後か、自律神経系の働きを変えることをテーマにした「あがり症の解消と説得力のある存在感」のグループレッスン以外では行いません。内容については割愛させていただきます。

 

私たちの身体は、大脳の運動野と体性感覚屋と小脳にマップされています。そして私たちの周囲の空間も、おおよそ両腕が届く範囲もマップされています。脳神経科学では、この脳にマップされた私たちの周囲の空間、この密度の濃い空間をペリ=パーソナル・スペース(身体近接空間)と呼びます。

そしてこの空間を道具に接触すると、その道具と道具の周辺の空間にまで拡張します。うまくいっているときには。

 

つまり指先が鍵盤に触れたら、少なくともアクション構造まで、脚がペダルに触れたらダンパまでは「からだ」の地図が拡張します。

文字通り、楽器が「からだ」の一部になります。

ただし、うまくいっているときには。

ピアノ奏者の場合、タカギクラヴィアさんから楽器をお借りしない限りは、初対面の楽器と演奏する必要があります。確実に楽器に「からだ」の地図を拡張できる方法を技術として習得する必要があります。

そのためのいくつかの手順を行いました。詳細は割愛します。

 

その後も、演奏についての様々な課題をレッスンしました。

例えば、岡谷クさんのそばで演奏するときのことや、フォーカル・ジストニアの方のピアノ演奏など。

 

今回は通常はある手順を半年以上つつけた人にしか教えない、手順「マイナスの手、マイナスのからだ」もお伝えしました。その手順jは、指回りがより自由になるのと、指が鍵盤に入りやすくなること、楽器への身体近接空間が広がること、落ち着きが増すことなどの効果があります。

また、内臓のボディマッピングにつうても行いました。

 

 

課題やお悩みのあるピアノ奏者の方は、次のリンク先をご参照くださいませ。

ピアニストの方に-演奏中の腕・肩・首・腰への負担を減らしたい方、運指を改善されたい方、オクターブの連打が苦手な方、重量奏法・重力奏法を身につけたい方

 

 

 

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ABOUT US
かわかみ ひろひこアレクサンダーテクニークの学校 代表
第3世代のアレクサンダーテクニーク教師。2003年より教えている。 依頼人である生徒さんへの共感力、課題改善のための活動の動きや言葉に対する観察力と分析力、適確な指示、丁寧なレッスンで定評がある。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』、『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』(ともにヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)の著者。
アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのプロフィールの詳細