はじめに
私のアレクサンダーテクニークのレッスンをご受講される方といっしょに行う足首の関節のボディマピングです。
これから読んでいただくみなさんに、足首を自由に動かすことができるのか実験していただきます。
アレクサンダーテクニークのレッスンで行う足首を動かす実験-背屈を例に
ためしに椅子に浅く腰かけて、右足の踵の後ろの方が地面に接したまま、足首を曲げてみましょう?
右足、左足の背屈の動きは、同時に行わず、別々に行います。
曲げたときに、脛(すね)や足首周辺に、
- つる感じ
- 固くくなる感じ
- 引っかかる感じ
- しばらく曲げ続けたら、筋肉痛になる感じ
がありませんか? あるいはふくらはぎの辺りにそれを感じませんか?
アレクサンダーテクニークのレッスンで生徒さんにしていただくと、たいていの方は、脛(すね)や足首周辺やふくらはぎに違和感や痛みがあります。
もし、あなたがその緊張をお感じになったとしたら、断言します。あなたは足首を曲げるところを勘違いされています。
アレクサンダーテクニークのレッスンで行う、実際にどこで足首の関節が曲がるのか確認する作業
ここで、1問目のクイズです。
クイズ1 手で触れる前に答えてください。外くるぶしのいちばん盛り上がっているところと、内くるぶしのいちばんもりあがっているところのどちらが、より高いでしょうか?
はい、正解は内くるぶしのいちばん盛り上がっているところの方が、外くるぶしがいちばんもりあがっているところより高いです。
では2問目のクイズです。
クイズ2 外くるぶしがいちばん盛り上がっているところと、足首の曲がるところの関係を、次の3つから選んでください。
- 足首が曲がるところが、外くるぶしの一番盛り上がっているところより低い。
- 両方ほぼ同じ高さ
- 足首が曲がるところが、外くるぶしの一番盛り上がっているところより高い。
正解は 3です。
足首の関節は、多くの方たちが、実際曲がるところよりも低く、かつ実際に曲がるところより前で曲げようとする方が多いです。
そのように脳の中の身体地図(大脳の運動野、大脳基底核、小脳にある)の足首の曲がるところの地図が、実際に曲がるところではないところを。マップしているからです。
本来曲がるところで曲げると、楽に、ふくらはぎにもすねにも足首の周辺にも負担なく軽く曲げることができます。
先日レッスンにいらした方がG社から出ているアレクサンダーテクニークとピアノの本に、足首の関節の曲がるところは、くるぶしより下と書いてあると教えてくださいました。
本を見せていただきましたが、図解はやはり曲がるところは、外くるぶしのいちばん盛り上がっているところより上でした。しかし文章が誤っていました。
確かに関節は外くるぶしのいちばん盛り上がっているところより、下までありますが、曲がるところは先ほどお見せした図の通りです、
著者の方も編集者の方も、解剖図の見方が分からなかったから、このような間違いをされたのでしょう。
このことから導き出される教訓が2つ。
- 活字化されたものを無批判に信じ込まない。健全な疑いを持ちましょう。
- 少しでも疑問を感じたら、その疑問を持ち続けましょう。
足首のボディマッピングのまとめ
ここまでの3枚の画像を下のGIF動画にまとめました。
注意事項
- アレクサンダーテクニークを使って、ある程度、全身が伸びやかになって、それでも不調が残るときに行うことをお勧めします。
- 人によっては、からだの部分に注意を向けた途端、目つきがからだの内側を見るような独特の目つきになります。そのようになると、自律神経系が、あたかも麻酔にかかったような状態になり、アレクサンダーテクニークでいうところの押し下げ(生理学的な共収縮を含む)が起こりますので、好ましくありません。
- 私のアレクサンダーテクニークのレッスンでは、この足首の関節のボディマッピングは、手を使って生徒さんにお伝えしています。
アレクサンダーテクニークとボディマッピングのお勧めの本
実際の手順は、拙著『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』(かわかみ ひろひこ 著 ヤマハミュージックメディア 2019年3月)に書きましたので、ご参照ください。
ピアノ奏者向けに書いた本ですが、ピアノを演奏されない方にも役立つ、アレクサンダーテクニークの実践本です。
アレクサンダーテクニークのレッスンのおすすめ
次の2つのいずれかに該当される方には、アレクサンダーテクニークのレッスンをご受講されることをお勧めします。
- 本を読んだだけでは、どうやってよいのかお判りにならない方、
- 実際にきちんとできているのか確認されたい方
- ご自分のアクティビティ(演奏や踊りやスポーツやその他)にどうやって生かしたいかお知りになりたい方
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