先週の2016年1月10日(日)は、静岡県プロ ダンス インストラクター協会様のご依頼で、アレクサンダー・テクニークのお講座をさせていただきました。
本当は講演会だったのですが、トークだけよりも、実際に見て、体験していただきました。
ボールルームダンスのプロの指導者の方たちの団体で、年次総会!?の後に講師を招聘してお講座を行うのが、年始の恒例行事なのだそうです。
受講者の方は、78名いらっしゃいました。
最初は、事前に想像していたよりも年齢層が高くて、やりにくいかもしれないなと一瞬不安になりましたが、受講者の方たちが高い社会性を発揮してくださり、なごやかに講座を行うことができました。
。
最後の45分はアクティビティも行ないました。
二人一組で踊るときに、女性は男性よりも胴体をそらすことになりますが、そのときに背中側の筋肉、特に広背筋を緊張させると、腕を持ち上げづらくなり、女性の全身の動きがブレーキがかかった状態になるので、背中側の筋肉を解放したまま、そらすということを指導させていただきました。
床がカーペット敷きだったので、摩擦が大きく踊りにく場所でしたが、ビフォーとアフターで、
「パートナーが軽くなった、いつも重いから私がなんとか動かさないといけなくなる。それがなくなった」
と男性がおっしゃいました。
そうなんです、女性の方にブレーキがかかると、動きをリードする男性の負担が増えるのです。
見た目、どこの筋肉を緊張させても、あまり変わらないのですが、動きが変わります。
この件に関して、終わった後も熱心な方たちから、
「今まで肩甲骨を寄せて下げることで「からだ」を受けせようとしていましたが、間違っているのですか?」
と訊かれました。
「間違っているとは申しませんが、機能的ではありません。なぜならそのようにすると、全身にブレーキがかかるから」とお返事しました。
「その上で、ご自分たちでいろいろ試されて、正しいとか間違っているではなくて、適切な方法を見つけてください」と申しました。
また初老の紳士からは、
「胴体の奥行きを股関節の解放は同じ意味ですか?」
と訊かれました。
手を添えてディレクションを送りながら
私「胴体の奥行きを思い出すと、胴体の背中側、側面、正面が上に解放されて、股関節が解放されますね」
初老の紳士「ええ、そしてもう少し胸を張りたいのですよ」
私「そのときに、そのまま胴体の奥行きを大事にして、おしりを含めた背中全体の大きさを大事にしながら反らすと、広背筋をはじめとする、背中側の筋肉の緊張が少なくなるので、動きやすくなるのです」
と手と言葉を使ってご指導させていただきました。
探究心に頭が下がります。
***
今回できなかったこともあります。二人一組で踊るときに、男性が女性に崩し技を掛けることがあります、それについては、どのように対処すればよいのかというのは、用意していたのですが、っ今回は行うことができませんでした。
いずれ別の機会に。
***
とても楽しかったです。毎年別のゲストが呼ばれるようで、たぶん来年は呼んでいただけないのが残念です。
これを機に、多くのボールルームダンス指導者の方たちにアレクサンダー・テクニークが広がることを願っています。
コメントを残す