お仕事の技術や趣味を、先生から学ぶときに、よく起こりがちなことがあります。
例えば次のようなことです。
先生や仲間からいただくアドバイスの意味が分からない。
先生のアドバイスの通りにやっても、うまくいかない。
先生のアドバイス通りにやったら、先生から「なぜ人の話を聞かないのか」ときつく注意され、もうどうしてよいのか分からない
どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
たいていの芸事の先生は、ご自分の経験と感覚に基づいて、誠実にご指導されます(なかには、だれかの受け売りで教える先生もいらっしゃいますが、そのだれかの受け売りもだれかの経験と感覚に基づいています)。
しかし、実は私たちひとりひとりは、固有の身体の文化、身体感覚の文化、そしてそれらの感覚に基づく言葉の文化を持っています。
例え同じ日本語を話していても、まったく前提が異なるので、発せられた言葉が指し示す内容がひとりひとりまるで異なるのです。
もしあなたがとても幸運な方でしたら、ご指導くださっている先生とあなたの身体感覚やそれにもとづく言葉の文化がとても近く、先生からどんなアドバイスを受けても、瞬時に理解されるでしょう。
しかし、そういう出会いは稀ですし、さらなる高みを目指して別の先生に師事したときに、多くの方たちが直面するこの問題と向き合うことが必要になるでしょう。向き合うことから逃げていては、優れた指導者からなにも学ぶことはできません。
誤解されがちな概念に次のようなものがあります。
ピアニストのケース
腕の重さで弾く
支え
声楽家のケース
上顎部に当てる
お腹から声を出す
支え
重心をおろす
管楽器奏者のケース
お腹から息を出す
お腹で支える
重心をおろす
リハビリ職や介護職やボディセラピストや理療(鍼・灸・あんま・マッサージ)の施術者のケース
腰を入れる
力を入れる
力を浸透させる
ではどうしたら,先生のアドバイスを理解し、実践できるようになるのでしょうか?
方法が1つだけあります。私たち学ぶ者たちが、教えてくださる先生たちより賢くなるのです。
そのためにはどうしたらよいのでしょうか?
近道があります。ご自分の「からだ」に関心を持ち、アレクサンダーテクニークを学ぶことです。
実は私かわかみも、芸事の先生からいただいたアドバイスの意味が分からず(先生のおっしゃるとおりにすると、”違う”ときつく注意されました)、そういうときにアレクサンダーテクニークに出会いました。
そしてアレクサンダーテクニークを学んでいるうちに、あるとき芸事の先生の言葉が自動的に翻訳されるようになっていることに気づきました。
私かわかみとのレッスンでは、あなたの活動を観察させていただきながら、芸事の先生からいただいた分からないアドバイスを解読(翻訳)して行きます。
いっしょに解読(翻訳)することを通じて、あなたは芸事の先生のアドバイスの意味が分かるようになりますし、いくつかの暗号を一緒に解いた後に、芸事の先生から新たなアドバイスをいただいたときに、ご自分自身で解読(翻訳)できるようになります。
講師かわかみ ひろひこ プロフィール
アレクサンダーテクニークを教え始めて、10年の実績があります。
学生時代からある芸事を修行しましたが、20代後半になったときに、たまたま撮影した芸事を行なっている自分自身の動画を見て、あまりに思っていたものと異なっていたために(あまりにひどかったために)、自分だとは気づかない経験をしました。
精進のためにますますお稽古にのめり込んだものの、先生からアドバイスをいただいて、その通りにやっても、うまくいかないばかりか、先生から「違う」ときつく叱られました。
その後1997年にアレクサンダー・テクニークのレッスンを受けるようになりました。私のアレクサンダーの最初の先生はスイス人の先生で、「からだ」の使い方はよかったのですが、必ずしも教えることが上手い人とはいえず、ほぼ無言でレッスンする方でした(それでも、「わたくし」自身に余裕を与えるインヒビションの原理については、学び取りました)。
そうしたレッスンの中で、アレクサンダーで学んだことを言語化する作業を独自に始め、結果的に芸事の先生のおっしゃったことを瞬時に理解て切るようになりました。
1999年にアレクサンダーテクニークの教師養成コースに通い始め、2003年から教え始めましたが、教える経験の中で。自分自身の経験も踏まえて、芸事の先生のアドバイスの買得メソッドを確立しました。
先生は大阪方面で指導される事はありますか?
体験レッスンを受けてみたいと思っています。
ピアニストです。