更新 2013年12月12日
初出 facebook 2013年1月31日
最近、ネット上のアレクサンダー・テクニークの流行は、次のようなもののようです。
例えば、管楽器の演奏に関して、
腹式呼吸をする。
呼吸をお腹に入れる。
支えを作る。重心を落とす。
地面にしっかりと着地する。
等々の管楽器の教師からのアドバイスは、適切ではないから、そんなことをいう指導者の言うことを聞く必要はない。
70年台のロックスターが手法で、一過性の人気を得ることはできるでしょうが、流行りモノの常で廃れるのも早いでしょう。
何か芸事や技能を学ぶために先生は必要なのです。
なぜなら、先生は経験が長く、演奏家でしたら、
音楽を聴く耳
観察力と洞察
があり、そして、
社会的に引き上げてくださることもあります。
先生はご自分の感覚に基づいて、誠実に教えてくださる。
けれども、先生のアドバイスの意味が分からないということは結構あります。
なぜならば、同じ日本人で同じ日本語を話しているとしても、身体と感覚の文化は個人ごとにユニークだからです。
感覚から生まれる言葉の文化もユニークです。
ものすごく運がよくて、
演奏が素晴らしく
アドバイスも的確で、
身体の感覚と言葉の文化が近く
そのうえ、おひとがらがよい
先生から学ぶことができればこんなによいことはないでしょう。
しかし、実際にはそういう幸運に恵まれることはほとんどありません。
身体の感覚と言葉の文化がご自分自身と近い先生を見つけることができる可能性は、ほぼゼロに近いでしょう。
じゃあ、どうすればよいの?という疑問がわきますね。私自身が出した答えは次のとおりです。
経験に劣る私たちが、少なくとも身体感覚や言葉の文化では先生よりも賢くなって、
先生がおっしゃっていることは、私たち自身にとってはどういうことなのかということを理解できるようになればよいのです。
私自身はアレクサンダーテクニークをそのように使って来ましたし、アレクサンダーテクニークの優れたところは、そこにあると思います。
私のレッスンでしたら、生徒さんにアレクサンダーテクニークを経験していただきながら(手と言葉で導きながら)、その時に生まれる感覚を受け取りながら、一緒に謎(なぞ)解きをします。
例えば
腹式呼吸をする
→股関節を解放すると、お腹や骨盤底筋が動き始めます。
そして股関節を解放するためには、股関節周辺の例えば大腰筋や大殿筋などの共収縮(同時収縮)をやめる必要があります。
そしてじゅうぶんに股間周辺を解放するには、胴体の奥行きと胴体正面も背面も上に広がり、胴体の下には斜め後ろ下への方向を与える必要がございます。
そして十分に胴体を解放するためには、首を自由にして頭を前と上に解放する必要があります。
つまり、アレクサンダー・テクニークを実践すればよいのです。
ただし楽器を演奏するときには、楽器保持のためにさらにアレクサンダーテクニークを独特の使い方が必要になります。
それは私が生徒さんたちと編み出した方法です。
詳細は実際にお会いした時に経験していただきます。
コラムの目次はこちらに。
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