もしパソコン作業にアレクサンダーテクニークを使ったら

投稿日:2010/8/2

こんにちは。かわかみ ひろひこです。2002 年の末以来アレクサンダーテクニークを教えています(ATI-アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル認定教師)。

今日のテーマは、「もしパソコン作業にアレクサンダーテクニークを使ったら。。。♪」です。略して「もしアレ♪」 えっ、略すなって。。。

はじめに

パソコン作業の際のからだの使い方を指導中のアレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこ 2018年3月25日()札幌のグループレッスンにて

パソコン作業中に

  • 目が疲れたり、
  • 首や肩が疲れたり、
  • 肩や肘が疲れたり
  • 腰が疲れたり

ということがよく起ります。

 

そのようなときに

  1. 視界を適度に広くすること、
  2. 全身が伸びやかになり、息が入ってくるときに背中や胴体側面が膨らむこと

がきちんと行われると、かなり楽になります。

なぜならば、

  1. パソコンの画面の極めて瀬ない範囲だけをみるようにすると、身体がモニターに向かって押し下げやすくなるからです。疲れの原因の多くは、”押し下げ”です。それによって筋肉が固くなって、動きづらくなり、血管が圧迫され、血行が悪くなります。
  2. 全身が伸びやかになると、呼吸に伴い胸だけでなく背中側や胴体側面も動くようになり、血管もリンパ管も圧迫されなくなるので、全身にかかる違和感が減ります。

では詳細に見てまいりましょう。

1.自分自身を観察しよう

さて、下の写真をご覧ください。ひとりの男性がパソコンに向かっていますね。

1.私たち自身を前に下に押し下げるパターン

前に下に押し下げてパソコン作業をする

<パターン1>前に下に押し下げてパソコン作業をする

みなさんは写真を見て、どんなことに気づかれましたか?

そしてご自分ではどのようにされてますか?

「うんうん、私も同じようによくやっているよ」

ということに気づかれる方もいらっしゃるかもしれません。

 

うーん、そうですよね。私もサラリーマンを 10 数年やっていたいので(「えーほんとう?」ってよく聞かれるのだけれど、そうなんですよ)、覚えがあります。

 

こういうふうにパソコン作業を続けていると、

だんだんと目がつかれて来て、

肩が凝って、

にの腕が重くなって、

胸も潰れて来て、

背中側の骨盤の上あたりがきつくなってきて、

おまけに目も疲れる。

疲労感が出て来て

そして作業効率が落ちて来て、

なんだか楽しくない。

 

オフィスワーカーならば(あるいは主夫または主婦でも、パソコンを使われる方であれば)、たびたび経験することですね。

 

集中力のある人たちは、かなり長い時間こうやっていても平気ですが(この状態をフロー状態と言います。あまり質の高いフローではありませんが)、その状態から出て来ると、あまりの「からだ」の疲れの大きさに驚かれるようです。

そしてますます仕事にのめり込む。。。

でも、こういう不快なことは避けられないことなのかしら? 自分自身のパソコン作業のやり方を変えれば、ひょっとしたら、もっと自由に仕事はできないかしら?

そう思われたことはございませんか?

2.私たち自身を後ろに下に押し下げるパターン

後ろに下に押し下げながらパソコン作業をするパターン

<パターン2>後ろに下に押し下げながらパソコン作業をするパターン

右の写真のようにすることも、よく見ることのできる光景です。

  • からだ全体を低くすることで、首回りを楽にしようとしている
  • 椅子の背もたれにもたれることで、胴体を自分で支えることを減らそうとしている

パターンです。

しかし、実際にはそれほど楽にはならず、次のようなことが起こります。

  • 首から肩甲骨のあたりが、下に引っ張られて、筋肉がはる。血行が悪くなる
  • 胴体が斜め前方下に押し下げられるのて
  • 呼吸に伴う胴体の動きが少なくなる(十分に息が入らなくなる)
  • 主に横隔膜から下の内臓が押し下げられ、調子が悪くなる原因になる
  • 坐骨で胴体を支えられない
  • 上記の結果として、お腹側から太ももに向かう筋肉と、お尻から太ももに向かう筋肉が同時に緊張し、股関節周辺が固まり
  • 上記の結果として、血流やリンパの流れが阻害され、脚がむくむ
  • 背中側の特に子仕上がりが血行不良になる

 

3.顎を引き、胸を張りすぎるパターン

胸を張りすぎる

<パターン3>胸を張りすぎる

オフィスでは、右の写真のパターンもよく見かけます。

すなわち姿勢をよく見せようとして、

    • 顎を後ろに引きすぎる
    • 胸を張りすぎる

そしてその結果どうなるかと言うと、

  • 首回りの筋肉が緊張しすぎる
  • 上記の結果として首回りが血行不良いなる
  • 肩回りの筋肉が緊張しすぎる
  • 上記の結果として肩りが血行不良いなる
  • 腰を含めた背中側の筋肉が固まり、呼吸の際の背中側や胴体の側面の動きが減る
  • その結果として、腰を含めた背中側が血行不良になる。
  • 胴体が斜め全欧下に押し下げられ、坐骨で胴体を支えられなくなるので、お腹側から太ももに向かう筋肉と、お尻の方から太ももに向かう筋肉が同時に緊張する

 

4.複合パターン

人によっては、

  • 1と3を行ったり来たりしたり、
  • 2と3を行ったり来たりしたり、
  • 1と2と3を行ったり来たりして

いつまで経っても、楽になりません。

2.解決への道筋

 そう、方法はあるのです。

慌てて、姿勢を正す前に(窮屈な姿勢に私たち自身を押し込む前に)少し待って、いったん少しだけぐしゃっとなります。すでにぐしゃっとなっている方は、そのままで構いません。そして

(1)まず首が自由になるのを許してあげます。

(2)そして頭が「前に上に」あるいは「後ろへ上に前に」向うのを許してあげます。

(3)そして背中が長―く、広-く、

(4)そして両膝が前に、そしてお互いに離れていくのを許してあげます。

(5)すべてが同時にそして順番に。

なんのことか分からない? ではレッスンを受けましょうか。

。。。特別にサービスして、もう少し詳しくお教えしましょう。

(1)首が自由になるのを許してあげます。

頭蓋骨と首(背骨の一部)のあいだの関節ってどこかしら?

まず後ろから指さしましょう。

そして次に横から。

 

あなたの横からさした指はどこを指さしているでしょう?

頭蓋骨と首(背骨の一部)のあいだの関節を横から指さすと、おおよそ乳様突起という耳の穴より斜め後ろ下の突起の内側にあります。

 

画面を見るとき、頭を傾かせるのはそこからです。

(2)そして頭が「前に上に」あるいは「後ろへ上に前に」向かうのを許してあげます

これは文章ではお伝えしにくいので、部分的な説明になりますが、頭の高さってどこまであるのでしょう?

 

指の腹で軽く叩いてみましょう。けっこう上までありますよね。

パソコン作業に夢中になって、画面に吸い込まれていくと、いつのまにか意識の中の頭のいちばん上が目の高さになっていることってあるのです。

これ、ずいぶん前に芳野香先生から教えていただきました(1998年9月からしばらく個人レッスンに通っていました)。

 

そして頭の後ろ側も指の腹で軽く叩いてみましょう。結構なボリュームがありますね。

そして頭の後ろのおボリュームに気づくことは、どのようにで見るのかということと深い関係があります。

どのように見るのか
a.どこで見るのか?

みなさんは、音をどのようにして聞くのかご存知ですよね?

ある周波数を持った音波(音の波)が耳までやってきて、そこから情報が脳に伝わりますよね。

 

同じように、ものを見るのは、ある周波数を持った光の波が目までやってきて、その情報が網膜で受け取られて、視神経を通って視床へ、視床から頭の後ろ側にある視覚野に向います。そこで処理が行われるのです。

 

そうであるのに、近視の人たちは特に、つい見に行ってしまいます。あたかも目の表面ですべてのプロセスが完了するかのように、目を突き出し、頭をつきだします。

 

もちろんそれを続けると、前に倒れてしまうので、前に突き出す動きと、後ろに引っ張り返す動きを繰り返して。。。気づいたら首から肩のあたりが固くなっていることに気づくでしょう。。

まず頭の後ろ側のボリュームも大切にして、頭の後ろで世界をパノラマに受け取りましょう。

b.どのような範囲を見るのか?

私たちのはっきり見えるところは視界全体の5パーセントくらいと言われています。それ以外の95パーセントくらいは周辺視野。どちらも大切です。

 

パソコンの画面のなかのある範囲がはっきり見えているとして、でも視界全体の広さはもっと広くてよいです。近視の方たちは、左右からも上下からもパノラマに受け取るのを許してあげます。

実は視界の広は、次に述べるアレクサンダーテクニークで大事にする背中の広さと関わっていますが、詳細は割愛します。

(3)背中が長ーく、広ーく

胴体の奥行きを思い出して、お尻のまで、あるいは坐骨まで含んだ背中側が上に向かって広がって行くことを許してあげます。

そして脇も体の正面も上に向かって広がるのを許してあげます。

キーボードを指の腹で押すとき、私たちはつい腋の下も下に押し下げがちです。わきの下の高さも大切にしましょう。それは背中の広さに含まれます。

そしてキーボードを使う時、肘から先の前腕(ぜんわん)と言われる部分は内側を向きますが(解剖学的には前腕の回内と言います)、このとき、にのうで(上腕)も巻き込んで内側に巻き込みがちです(解剖学的には上腕の内旋と言います)。

この巻き込みをやめる必要があります。

そうでないと、胸が下に押し下げらてしまい、気づいたら疲れていたということになってしまいます。

(4)両膝が前にそしてお互いに離れて行く

座って長時間作業をしていると、私たちは太ももを胴体方向に縮めがちです。

これを防ぐ必要がありますね。

(5)すべては同時にそして順番に

ここまで述べたことは全部一緒に起こります。

 

ええっー! 多すぎる!!!って思われるかも。

でもレッスンを受けたら、こんなに簡単に自由になれるんだと実感していただけるでしょう。

3.レッスン風景

レッスンの風景です。

手を添えることで、一瞬一瞬に癖(くせ)をやめていくことを具体的に学んだいただきます。ひとりでできるようになるように、そのようにお伝えするのが私の仕事です。

まず立ったり座ったりすることろからスタートします。

もしパソコン作業中に自分自身を下につぶしたら、すわったままでもアレクサンダーテクニークを遣って、ご自分の大きさを取り戻すことができます。

しかし、より簡単に自分の大きさを取り戻すためには、アレクサンダーテクニークを使って、一度立ち上がり、そしてアレクサンダーテクニークを使って座ったほうがよいでしょう。

画面を見るために頭を傾けるときに

胴体がどのようについていくのかということが、かなり重要です

視界も胴体も奥行きが大事です。

 

 

4.むすび

いかがでしたか?

 

さあ、次はあなたの番です。

 

 

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