アレクサンダーテクニークに似ているインナーゲームのガルウェイの紹介
今まで生徒さん達にティモシー・ガルウェイの本をアレクサンダーテクニークの参考書としてご紹介したことがあります。
また先日、twitterでも、ガルウェイさんのご本を紹介させていただきました。
しかし、アレクサンダーテクニークを学ぶ方の多くは、ガルウェイさんを知らないし、逆にガルウェイさんのお仕事にご興味をお持ちの方は、アレクサンダーテクニークをお存じないことが多い。
そこで、両者を比較して、簡単にまとめることにいたしました。
ティモシー・ガルウェイという方は、アメリカ合衆国の著名なコーチングの方です。日本でも20年蔵前から著作が翻訳されています。
最近は、分かりませんが、2003年にCTIのコーチングの方にティモシー・ガルウェイのコーチングがCTIのコーチングと、どのような関係があるのか、それともまったく無関係なのか聞いてみたところ、がルウェイをまったく存じませんでした。どうやら、CTIのコーチングが日本に上陸した時点では無関係らしい。。。
このガルウェイ さんは、もともとテニス・コーチでした。それもかなり指導力のある。Inner work of Tennisは日本語にも翻訳されました(邦題「インナーテニス」)
それが、あまりに評判がよかったので、スキーヤーの方たちが彼のところに習いに行くようになりました。そして、本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「インナースキー」)
さらに評判が評判を呼び、ゴルフ・プレーヤーが学びに行くようになりました。そして、本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「インナーゴルフ」)
そのうちに演奏家が学びに行くようになりました。そして、本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「演奏家のためのこころのレッスン」)
そして、さらに評判が高くなり、あるとき彼のもとに当時米国独占禁止法に引っ掛かったAT&T(アレクサンダーテクニークは全然関係なくて、日本で言うと、NTTみたいな会社)の最高経営責任者から、電話がかかってきました。
「重役たちを指導してほしい」と。
そして本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「インナーワーク」)
つまり、とってもすごい人なのです。
アレクサンダーテクニークによく似たインナーゲームの考え方
そのガルウェイさんの基本的な考え方は次のようなものです。
競技中に、例えばテニスの試合中に行われているのは、競技の相手を行うアウター・ゲームだけではなく、競技者自身の「こころ」のなかで行われている「インナー・・ゲーム」もある。
そして、アウター・ゲームで、実力を発揮できるようにするためには(あるいはそのために技術が上達するためには)、インナー・ゲームを制する必要がある。
インナーゲームの登場人物は2人。
セルフ1とセルフ2
セルフ1は、セルフ2に対して悪態を突き続け。セルフ1を厳しく批判し続ける(英「批判」と訳したが、英語ではjudgeと言う)。
セルフ2 セルフ1が批判し、ジャッジする相手。個々人の潜在的可能性であり、実際の有益なお仕事をする。
そしてセルフ1がセルフ2のじゃまをするから、それをやめようねというのが基本ていな考え方です。
ここまで読んで、「あれっ?」と思いませんか。
そうなのです。アレクサンダーテクニークの理論とそっくりなのなのです。
アレクサンダーテクニークの視点からのガルウェイのインナーゲームの解説
アレクサンダーテクニークではガルウェイのコーチングで言うところの、セルフ1を癖(くせ。habitの訳語)と呼びます。
アレクサンダーテクニークの癖の方が、自分自身を責め続ける精神的な癖(くせ)だけではなく、肉体的に表れる「癖」を含むので、より広範な概念になっています(そもそもアレクサンダー・テクニークでは、こころとからだを分けていない)。
そしてガルウェイのコーチングのセルフ2に当たるものが、自分自身(セルフ)です。そしてアレクサンダーテクニークのセルフの定義は、the unity of body, and mind、つまり、「こころ」と「からだ」が結びついて1つになったものと定義します(spiritを入れる場合もある)。
そしてそのような「こころ」と「からだ」が結びついて一体となった自分自身を使うための方法がアレクサンダーテクニークであると。
そしてアレクサンダーテクニーク方法は、
自分自身に空間的・時間的な余裕を与える(インヒビション)。
そして、癖を防ぐために4つのディレクションと呼ばれる方向を与えます。
両者を比べたときのガルウェイのコーチングの利点は、
アレクサンダーテクニークの方がガルウェイのコーチングに比べると、身体的・肉体的・精神的なわずかな癖の動きに気づく必要があることと、肉体的あるいは身体的な具体的な方向を与えることに習熟する必要があるので、著作物を通じて伝えるのは困難である。他方、ガルウェイのコーチングは非常に分かりやすく、入りやすいこと。
両者を比べたときのアレクサンダーテクニークの利点は、それぞれの分野で上達の度合いが低い方たちが、それぞれの分野で上達するための具体的な方法論が備わっているところです(少なくとも私がお伝えするアレクサンダーテクニークはそうです)。
ただガルウェイさんのコーチングの本が素晴らしいのは、物語性が豊かで、専門用語がほとんどなく、非常に面白いところでしょう。
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