
アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのご挨拶
アレクサンダーテクニーク教師のかわかみひろひこです。
2003年から教え始め、ヤマハさんから2冊を本を出しています。
- 『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』
- 『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』
最近は音楽家の方たちが生徒さんに、カラダの使い方をご指導できるようになれるコース、響く音メソッド®講師養成コースをしています。
アレクサンダーテクニークから生まれた響く音メソッド®の講師トレーニングの報告
2025年6月8日(日)に響く音メソッド®のオンラインの教師養成コースのグループレッスンには、ピアノ奏者Tさんと 沖縄民謡のIさんがご受講されました。
このグループレッスンは、受講者の方たちが抱える心身の不調や演奏上のお悩みを、具体的な身体ワークを通じて解決してゆきます。
ピアノ奏者Tさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン
突然弾けなくなるのではないかという不安
武田さんは、発表会で複数の伴奏を抱える重圧を吐露。練習では弾けても、本番の合わせになると緊張で実力を発揮できず、「突然弾けなくなるのでは」という精神的な呪縛に苦しんでいるとのこと。身体的には、平田氏12反応帯の腎臓の部分に疲れを感じていらっしゃいました
武田さんの「本番での焦り」に対しては、まず本人が不調を感じていた腎臓・副腎について、ケアするワーク(内臓のボディマッピングのワーク)を行いました。
さらに、根源的な不安に対しては、現在の不安を感じている状態で「ヴーサウンド」という、声を出しながら身体の振動を感じるワークを指導し、自律神経の状態を落ち着かせることで、演奏前の過度な緊張状態から落ち着きを取り戻していただきました。
ワークの後、Tさんは焦りが消え、安定したテンポで落ち着いて演奏できるようになりました。
サックスの伴奏で、メロディーが埋もれてしまうという課題
次にTさんは、サックスのピアノ伴奏で「メロディーの音が埋もれてしまう」という悩みをご相談されました。
ハミングで体の振動を感じる「ヴーサウンド」をご指導すると、最初は頭だけだった振動が、ワークを重ねるうちに足先まで全身に広がっていきました。
その後の演奏では音が立ち上がり、メロディーが前に出る力強さが生まれました。
極度に緊張する生徒さんにどのように教えるのか
話題は、Tさんが抱える生徒指導の悩みへ。極度に緊張する生徒さんたちに「どこから手をつけていいか分からない」というご相談がありました。
かわかみ氏は横になれない教室環境を考慮し、自宅でもできる「内臓のボディーマッピング」を勧めました。
さらに、武田さん自身が本番の緊張でワークの効果を感じられないことがあることをおっしゃいました。
そこで、緊張が強い場合はまず身体を安定させることが重要だと考え、「物差しを落として掴むワーク」をいっしょに行いました。
Tさんが「すごいドシッとしました」と安定感を得たことをおっしゃいました。
生徒さんとのレッスンで「ニャー」のワークに効果あり
Tさんからは、ピアノの生徒さんたちに「ニャー」のワークを試したところ、指が働き始める効果があったという報告がありました。
沖縄民謡のIさんとのアレクサンダーテクニークの原理に基づいたレッスン
ポップスの発表会で三線(サンシン)を弾きながら歌う際、沖縄民謡とは異なる運指に苦戦し、音が途切れがちになるという課題
一方、Iさんはまず、数日間続く頭痛という身体的な不調を訴えました。演奏面では、ポップスの発表会で三線(サンシン)を弾きながら歌う際、沖縄民謡とは異なる運指に苦戦し、音が途切れがちになることを克服したいという課題をおっしゃいました。
Iさんの頭痛に対しては、平田式12反応帯の圧痛から肝臓・胆のうの不調であることを推定。そこで、肝臓・胆のうの内臓のボディマッピングの関連する体操をしていただくと、数回の繰り返しで頭痛はほぼ消えたのだそうです(病院では異常がないと言われていたそうです)。
演奏の課題には、「一重身(ひとえみ)で歩く」という特殊な歩行ワークをご指導いたしました。この動画は、響く音メソッド®のマニュアル動画として掲載済みです。
これは、進行方向に対して身体を一枚の板のように保つことで左右の身体軸を分離させ、全身の自由度を高めるワークです。身体の向きが斜めにやりやすいので、そうならないように徹底してご指導いたしました。
ワーク後、Iさんは三線も歌も楽になり、音楽に自信に満ちた流れが生まれました。
長いフレーズを「一息で歌いたい」という課題
次に発表会で弾く曲の長いフレーズを「一息で歌いたい」とおっしゃいまいた。
壁を使った「ウォールワーク」を行いました。
また膝の曲げ伸ばしをする際に、膝を開閉する動作を組み合わせた動きにすることで、股関節を解放しつつ膝を曲げ伸ばしすることを実修していただきました。
ワーク後の演奏の後、Iさんは「無駄な息の逃げがなくなり、歌いやすくなった」と効果を実感されました。ピアノ奏者のTさんから「三線の余韻と歌のエネルギーが素晴らしかった」と称賛されました。
コンクールの課題曲の大人っぽい感情表現
続いてIさんは、コンクール課題曲での「大人っぽい感情表現」に苦戦していると吐露されました。
そこで、1992年に参加した大学共同セミナーの講師をお勤めになった整体研究所(現 身体教育研究所)の野口裕之先生から教えていただいた、韓国の伝統的な婚礼儀礼に由来するという特殊な足の動きのワークを、アレクサンダーテクニークの原理を使いながら、いっしょに行いました。
ワーク後の演奏の後、Iさんご自身は「音が細くスマートになった」と感じ、Tさんは「頭で考えるのではなく、自然に音楽に入り込めていた。表現したかった理想の音が出たのでは」とフィードバックされました。
苦手意識を持つ曲の高音
最後のレッスンでは、Iさんが苦手意識を持つ曲の高音に挑戦されました。
1度演奏された後で、骨髄、骨。。。皮膚へと意識を向ける「7層のボディーマッピング」のワークを片足に行った後の演奏で、Iさんは「落ち着いて声が出せた」と驚かれました。
Tさんからも「高音が来るぞという緊張感がなくなり、余裕が感じられた」と感想を述べた。
レッスン全体と通じて、演奏技術の課題が身体感覚と密接に結びついていること、そして多様な身体ワークが心身を整え、表現を豊かにする過程が具体的に示すことができたと思います。
アレクサンダーテクニークの原理を使って開発した、演奏家が生徒さんにカラダの使い方を教えるようになれる響く音メソッドのトレーニング実施中です。
説明会は随時開催します。
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