バーバラ・コナブルさんが書いた『音楽家ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』、『音楽家ならだれでも知っておきたい呼吸のこと』という本の中に、息を吐くときに背が高くなって、息を吸うときに背が低くなるとかいてあります。
そのことは、私が教師養成コースにいた1999年当時、バーロウ系のアレクサンダーテクニーク教師で、バーバラさんの生徒でもある小野ひとみさんからもそのように教えていただきました。
小野ひとみさんは、バランスボールの上に腹ばいになって、そのことを説明してくださいました。
たしかにバランスボールに腹ばいになったら、そのようになります。しかし、立っているときとバランスボールに腹ばいになっているときとでは状況が異なります。
果たして、バーバラ・コナブルさんのおっしゃる通りなのか、ずっと疑問を持っていました。
その疑問を解いてくださったのは、ウィリアム・コナブル博士(ビル・コナブル博士)です。
2006年にそのことが彼の教えるクラスで話題になったときに、
ビル・コナブル博士は、
「あの考え方は、カール・スタウの呼吸法に強い影響を受けて、バーバラが本に書いたもので、もともとアレクサンダーテクニークのなかにあった考えではないし、私やバーバラの先生であったマージョリー・バーストウの考えでもない。
そして、私はカール・スタウのあの考え方には賛成していない。」
息を吐くときに、「からだ」が崩れ落ちる人がいます。そういうことを防ぐために、”上に”あるいは”全身が伸びやかに”にディレクションを思うことについては、私も賛成です。
実際、息を吐くときに、ナチュラルに背が高くなる人もいるでしょうが。私はそうなりません。そうしようと思えば、できないことはありませんが、それは私にとって自然な動きではありません。
「私にとって自然な動きではありません」と書きましたが、見る人によっては、それは”当てにならない感覚的評価”かもしれません。
みなさんにとっては、いかがでしょうか?
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左図はエアー楽器を構えている図です。左側はたいていの方がやってしまうことです。
すなわち、楽器を持ち上げるときと、楽器にも重さがありますし、腕にも重さがありますので、身体の前方が重くなります。
たいていの方は、背中側をつぶして、重心を後ろに移すことによって、身体の前後の釣り合いを取ろうとします。
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