レッスンで教師は生徒さんのなにを褒めているのか?-横浜グループレッスンのご報告:2019年5月26日(日)午前アレクサンダーテクニーク&ボディマッピング

2019年5月26日()の横浜で、アレクサンダーテクニークとボディマッピングのグループレッスンをしました。

 

初回のピアノ奏者の方。そして、1年半ぶりに現れた大きな男性(今は別のアレクサンダーテクニーク教師から個人レッスンを受けているそうだ)。

 

大きな男性の冒頭に大きなコメントが2つありました。

 

 

アレクサンダーテクニーク教師はなにを見て、生徒を褒めているのか?

「アレクサンダーの先生にレッスンで”そう、そう! そうです”って褒められると嬉しいんだけれど、なにか”そう”なのか全然分からないんですよ。
 本当に自分はなにかを学んでいるのだろうかと思ってしまう。
 個人レッスンもグループレッスンも楽しいのだけれど。」

 

 

なるほど。それは健全な疑問ですね。私も、最初に自分のために受けていた最初の1年半のあいだはそう思っていました。

 

アレクサンダーテクニークでは、”姿勢”という言葉はあまり使わなくて、コーディネーション(全身の有機的なつながりというような意味です)という言葉を使うけれど、これは動ける「からだ」、演奏できる「からだ」、ビリヤードできる「からだ」になるってことなんです。

 

 

それで、いわゆる女性誌なんかにたくさん載っているよい姿勢を、なぜ私や多くのアレクサンダーテクニークの教師が勧めないかというと、やったとたん、首回りや肩周りがきつくなるくらいは多くの方が気づきますね。頭は動かしにくくなるし、頭に向かう血管が圧迫されて、脳に血があまり向かわなくなります。首を通る神経も圧迫されます。

 

でも、それだけでなくて、私がそんな姿勢になったときに、私の肩甲骨のあいだに触れていただくと分かるのだけれど、そこも固くなっている。

 

お臍(へそ)の後ろ側くらいの背中にさわっていただくと、そこの筋肉(広背筋)が緊張して固くなる。広背筋が緊張すると、腕が上がりにくくなる(なぜなら腕を下ろす筋肉だから)。

 

 

そしてご自分でそういう姿勢をしていただくと、触っていると分かるんだけれど、お尻の筋肉(お尻から脚に向かう筋肉)が固くなる。そして同時に、後ろにつんのめんないように、腰椎から太ももの骨の小転子に向かう大腰筋が固くなり、骨盤から肋骨に向かう、腹直筋や腹斜筋が固くなるのが、さわるとわかる。

 

その結果、肋骨が上に上がりにくくなるから、呼吸がしづらくなる。

 

だから女性誌推奨の”正しい姿勢”はからだに悪い。動けない姿勢ということになる。

 

 

では姿勢を前にくずせばよいかというと、それをやると、前につんのめんないように背中側の筋肉がいっせいに緊張し(遠心性収縮という)、場合によっては、背骨に自重の3倍近い重さがかかる(福島県立医大の先生が論文にそう書いています)。そしてお尻の筋肉も。。。。

だからそれもまずい。

 

両方の「からだ」の動きを邪魔する姿勢のあいだに動きやすい「からだ」があって、

その鍵になるのが

  • 視界の適度な広さ
  • 呼吸に伴う動き

 

それを導くのが、アレクサンダーテクニークの私たち自身に少し時間をあげて(インヒビション)、「からだ」にある方向を思う(ディレクション)という手順なんですよ。

 

マクドナルド先生が非常に優れた「からだ」の使い方だと褒めているピアニストの映像を見たけれど、なにが優れているのか分からなかった

2つめのコメントです。

さらに、「著名なアレクサンダ-テクニーク教師のマージョリー・バーストウ師やパトリック・マクドナルド師などの著名な教師のレッスンの動画を見たけれど、なにが優れているのか、わからなかった」

とおっしゃいました。

 

これも、最初の質問と重なっていますね。アレクサンダーテクニークの教師はけっして姿勢を見ている野ではありませんから。初期の教師トレーニングで、腰の曲がったお掃除をされた女性がレッスンルームから立ち去った後、F.M.アレクサンダー(1869-1955)が

 

「今ここに、たいへん優れた”からだ”の使い方をする方がいたけれど、みなさん気づかれましたか?」

 

と訊ねたとき、訓練生たちはだれも答えられなかったという逸話があります。それを伝えたのは、答えることができなかった訓練生たちなのですが。

 

背骨が曲がっていても、そのなかでコーディネーションが美しく整って、有機的につながりのある動きができているのかどうか、そこをアレクサンダーテクニークの教師は見ているのです。

 

それで。。。とレッスンを続けていきました。

 

ピアノの演奏

写真で見ると、それほど違いはないかもしれませんが、ご本人的には、背がずいぶん高くなったとおっしゃいました。

ビフォー

アフター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下行(下行する)ときにも、たいてい左側に押し上げてしまう。でもどちらか一方に向かうときには、アレクサンダーテクニークでいうとオポジション-ピアノ用語で言うと、反対側に支えが必要になります。

もちろん踏ん張るとか、力むというのとは異なります。やり方は

拙著『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなるからだ作りワークブック』(ヤマハミュージックメディア)に書いたので、繰り返しませんが、

    • 前進の自由な伸びやかさ
    • 太ももを胴体に引き込まない
    • 左右の股関節の方向(ディレクション)

が鍵になります。

下行-ビフォー

アフター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

打鍵の齋には、ピアノを演奏される方の多くが、脇の下や腕の付け根を押し下げがちです。

それを防ぐと、「ものすごく肩が上がっているように感じる」と多くの生徒さんたちが口を揃えたようにおっしゃいます。

そこで写真に撮って、確認していただきました。
 
「あれ? 全然(肩は)上がっていないですね」

 

そうなんですよ、むしろ今までが肩や腕の付け根を押し下げていて、そうなると二の腕が自由にしなりの動きをしなくなるし、指や腕に負担がかかって痛くなるのです。

 

理由は指先まで力が伝わらないから。別の言い方をすると、指先に重さが伝わらず、途中で落ちるので、指を強く鍵盤に押しつけることになるから、

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