北海道のドラム奏者AIさんの6回目のアレクサンダーテクニークの経験

公開日:2009年8月31日

2009年8月7~9日札幌にて開催したアレクサンダーテクニーク第7回ワークショップに参加されたときのフィードバックです。ご本人からは転載のご許可をいただいております。

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自分の身体の中へ財宝探しの旅に出かけたようなアレクサンダーテクニークの個人レッスン。

やりたいことは、「左手を右手と同じくらい使えるようになること。」

やることは、右手と左手を16発ずつ交代で、できるだけ速く、均等なスピード・音質・音量でプレイする。

それをプレイしたら、先生の手を借りてワークして、またプレイして、検証して、また違うワークして・・・かなりたくさんやったので、正直どれがどれだかなにをやったか覚えていない。

その中で印象に残っているもの。

レッスンが始まって、すぐセミスパイン。

家でもほぼ毎日やっているのだが、先生がとなりにいると、どういうわけか効果が出やすい。大腿骨がゴリゴリと動き出すので驚く、そして気持ちが良い。

そしてプレイ。スロースターターな僕は、まず最初からうまく叩けることはないのだが、思いのほか調子がよい。しかし、左手の中指がひっかかる。右手は「点でスティックをつついている」感じなのに対し、左手は「面でこすっている」感じ。

すっかり(僕には)おなじみとなった、六字訣気功。

あくびがこれでもかと出る。涙がぼろぼろでる。身体がゆらめきだす。

あくびって全身でするので、身体がすごくほぐれる。気の流れとも関係あるんだろうか?あくびのメカニズムを知っている人がいたら教えて欲しい。

そしてプレイ。調子は決して悪くないが、もっとできるはず。

骨髄を思う。その時にイマジネーションをつかって「赤」を思い浮かべて見る。(実際に骨髄は赤いが、加齢とともに黄味を帯びるらしい。)

自分の身体を支えていた骨というフレームが、コンクリートのような硬くてもろいものから、竹のようなしなりがあって丈夫なものに変わる。

筋肉だけじゃなくて、骨にも適度な柔らかさがある。骨を固めてしまうと、身体全体が固まる。

前腕の緊張が解けた。

前腕の緊張が解けると、意識が胴体に近づいていく。胴体側からの流れを受けやすくなる。

筋肉のことを思ってみる。同時に心臓のあたりを思ってみる。その時にイマジネーションをつかって「緑」を思い浮かべてみる。

やすらぐ。音色が落ち着く。リズムが安定する。

これは、僕に色の先入観があるからだろうか?確かめようもないが、こういうことが起きるのは事実。

心臓のことを思うと、胴体側のきっかけが得られる。胴体が過緊張したときも、それに気付くことができる。

頭頂部を思ってみる。毛穴から皮膚呼吸している。全身の皮膚も皮膚呼吸している。その時に「紫」を思ってみる。

これは、なんともむずかしい感じ。

仰向けに寝て、先生にナゾのつぼを押される(大腸・小腸のあたり)。

昼飯が山岡屋の濃ゆい塩ラーメンだったので、腸は超やばい。なんとも思わないところ、痛気持ちいいところ、痛いところがある。

そしてプレイ。言葉にならないが、なにかが変わっている。

「やはり、内臓は関係ありますね。」と先生がひとこと。

僕も最近それを感じていた。

内臓を思うと、うまく身体の中をエネルギーが通る感じ。

地面から足、胴体、腕、指と通っていくが、身体を硬くすると、そこで止まる。特に前腕が硬くなるときは、全部が硬くなっている。
それを解消するのには胴体のことを思うとよいはずなのだが、僕の場合はそれで腹筋や背筋を固めてしまい、よりつらくなってしまうことがある。

胴体のことを思うときに、内臓のことを思ってみる。

胴体は厚みと熱さと柔らかさを取り戻す。

内臓が生み出す微弱な運動(微弱ではないのかも?)が、末端(指・足)にも伝わってくる。

僕は座ったとき(歩いたときもそうだけど)に、骨盤を傾けてしまう?押し下げてしまう?くせがある。多分、母親ゆずりなのだろう。歩いているときなどに「変なところが母親に似たな」と思ってしまうことがある。

それを解消するためのひとつのアイデア。

座り、つま先を地面につけたまま、踵で足踏みをする。

慣れてきたら、その幅を半分にする。

さらに慣れてきたら、さらにその幅を半分にする。

さらにさらに慣れてきたら、さらにさらにその幅(略)

繰り返すと、どんどん細かい動きになってしまいには目に見えなくなる(止まっているように見える)。しかし、その時は「足踏みしていると思っている。」

その状態でプレイ。どういうわけか安定する。安定しないと足踏みできないから、足踏みしている思いでいれば安定するのか?

今思いついたが、座っているときに「立っている」と思えば、座りながらにして立っている状態をつくれるのかもしれない。

お互いに手を取り合って、背中が広いまま、胴体の下のほうも上のほうも降りていく。

これ、けっこうやっているけど、未だにうまくいかない。胴体の上のほうが降りていかない。逆上がりができなかった小学生時代を思い出す。

これがうまくいくと、背中の後ろの空間も演奏に使えるようになる。

壁に背中をつけて、足をやや曲げ、先生の手を借りて、指の一本一本を思ってみる。

前回はよくわからなかったが、今回はわかった。指の付け根と長さがはっきりしていく、特に中指。プレイするとやはり中指の調子が良くなっている。

先生の指を、ぎゅっとつかんで、その状態で腕を先生にリードしてもらう。握る動作と腕を動かす動作は神経支配が別なので、強く握っても、腕はスムーズに動かすことができる。

握る動作が必要な場合に、余計な部分の硬直を防げる。

「『二の腕』は下げてよい。」

いわれてはっと気が付いた言葉。

左手に力を入れようと、前腕を二の腕で上から押しつぶすような形になっていた。二の腕は下げてよいと思うと、前腕の緊張は減り、スティックのリバウンドもよくなった。

バランスボールでのドリブルもやった。

右でやるときも、左でやるときも、頭は前に上に、胴体は長いまま。

足の骨は2階構造、足首の関節は意外と高い、踵の骨は前にもボリュームがあって、指の付け根は足首の関節より前。

ここまで書いて、たった90分でこんだけやったんだと思ってしまった。

今回のレッスンは大変盛況だったということで、グループレッスンも12名参加。

もうすっかりおなじみのsaiさん。なんか前回と印象が違ったゆうこゆうこさん。木古内からいらっしゃったMさんキネスティックスの本を買わせていただきましたさあさん。さあさんと一緒に来ていた看護師さんは石井ゆり子先生のレッスンでもしかして一緒だったのだろうか?記憶があいまい。そして、ジャグラーの方、即興舞踏の方、チェリストの方、いろんな習い事をやっている女性の方・・・。

なんともにぎやか。

気付いたことがあって、それはスワイショウ(振り向くやつに手がついたもの)をやるときに、足からのエネルギーを腕に伝えきれていなかったこと。

足が動くより前に腰が回った結果、エネルギーが腰で止まっていた。そうではなくて、膝・足・股関節が動いて、それがほぼ同時に頭まで伝わって(※実際には足から上へ順番に伝わっていくが、すごいスピードで伝わっていくので、あまり考えなくて良い)、あとから腕がそれについていく。

ボール投げをしたが、まさにスワイショウと同じことで解決した。

胴体が回って、それに後から腕がついていく。いままでは腕が先行して動いていたので、腕の力で投げていたし、胴体からのエネルギーが肩で止まってしまっていたので、そこに痛みが生じたのだと思う。

「(ボール投げは)モーラー奏法と同じで・・・」

といわれたらできたのは、ある意味ショックだった。

というのは、慣れないスポーツにチャレンジしているのは、ドラム演奏になにか役に立てたかったからだ。

それが逆に、ドラム奏法がスポーツの約に立ってしまうとは・・・。

今回のレッスンで、先生の手の「前へ上へ」の働きかけが力強くなっていた気がした。いつもこうだったろうか?

それが妙に印象に残ったので、自分の首後ろに手を当てて「前へ上へ」と思うと結構思いだせる(気がする?)。

今まで正体不明で得体の知れないものだったエネルギー?が、だんだんと感じられるようになってきた気がする。物理的に理解できなかったことも、だんだんと体感で理解できるようになってきた。

身体の中での伝達も、流れている・止まっているが感じられるようになってきた。

少しずつ少しずつ、身体がチューニングされてきているのかも?

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ABOUT US
かわかみ ひろひこアレクサンダーテクニークの学校 代表
第3世代のアレクサンダーテクニーク教師。2003年より教えている。 依頼人である生徒さんへの共感力、課題改善のための活動の動きや言葉に対する観察力と分析力、適確な指示、丁寧なレッスンで定評がある。
『実力が120%発揮できる!ピアノがうまくなる からだ作りワークブック』、『実力が120%発揮できる!緊張しない からだ作りワークブック』(ともにヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)の著者。
アレクサンダーテクニーク教師かわかみひろひこのプロフィールの詳細