概要

アレクサンダー・テクニークは、F.M.アレクサンダー師(1869-1955)によって発見され、彼や彼の後継者によって発展したワーク。

 

「自分自身」=「からだ+こころ+霊性」の使い方=刺激に対する反応の仕方や、動き方を変えることによって、「からだ」の快適さや運動能力や表現力の向上に役立つと言われている。

 

ソマティック・エデュケーション(人間の内面である「こころ」と身体を一体として扱う教育)のひとつで、その先駆けとなったワーク。
日本ではボディワークと呼ばれることもあるが、多くのアレクサンダー・テクニークの教師たちは好まない。特に多くの外国人のアレクサンダーテクニーク教師にボディワークと言おうものなら、その後のレッスンが説教に変わることを覚悟しなくてはならないほどの禁句である。

フェルデンクライス・メソッドやロルフィング(またはストラクチュアル・インテグレーション)の成立に大きな影響を与えたことでも知られている。

 

具体的なアプローチの仕方としては、プロシージャーのレッスンとアクティビティ・ワークがある。

プロシージャー

チェア・ワーク(イスに座ったり立ったりする)

ウォール・ワーク(壁を使って行うワーク)

ランジ(フェンシングの突きに似た動きをする)

テーブル・ワーク(テーブルや床の上に横たわる)など

こちらも参照してください

アクティビティー・ワーク(楽器演奏やダンスなど、生徒さんが選んだの活動をアレクサンダーテクニークの原理を生かして行う)などがある。

こちらも参照してください

 

いずれのワークにおいても、何かをする前に少し待って(インヒビション)、ディレクションを与えることによって、自律神経の働きを刺激またはアクティビティに対して適した状態にして、押し下げ癖(少なくてもその一部は、生理学的な主働筋と拮抗金の同時収縮または共収縮と言い換えることができる)が起こることを防ぐことを学ぶ。

同時収縮または共収縮について、走ることを例として取り上げて説明する。

ある瞬間お腹から脚に向かう筋肉(大腰筋など)-脚を持ち上げるときの主働筋が収縮して、太ももが前方に持ち上がる。

そして次の瞬間に、お腹から脚に向かう筋肉の筋肉がゆるんで(弛緩して)、背中側から脚に向かう筋肉(大臀筋など)-脚を後ろに蹴るときの主働筋が収縮して、脚を後ろに蹴る。

ところが、脚を持ち上げる瞬間に背中側から脚に向かう筋肉-脚を持ち上げるときの拮抗筋が同時に収縮すると、ブレーキを掛けているのと同じなので、脚を前方に持ち上げるのが困難になる。脚を後ろに蹴るときに、お腹から脚に向かう筋肉–脚を後ろに蹴るときの拮抗筋が収縮すると、ブレーキを掛けているのと同じなので、脚を広報に蹴ることが困難になる。

要約すると走るときに脚が重くなる。そして、筋肉の過剰な緊張により血管が圧迫される。結果的に、走り始めてから筋肉が疲労するまでの時間が短くなる。

 

 

 

インヒビションやディレクションを用いてプロシージャーやアクティビティレッスンを行うこれらのアプローチを通じて、自分自身の活動における能力を開発・発展させることができる。

 

刺激に対する反応(狭義の自己の使い方)が変わることによって、機能が変わり、機能が変わることによって、筋肉・骨格などの構造が変化する。

 

アレクサンダーテクニークは、その考え方から7つの原理を導き出すことができる。

 

レッスンを受けた著名人

科学者

レイモンド・ダート

アウストラロピテクスの発見者

シェリントン(ノーベル医学・生理学賞を受賞)

ニコーラス・ティンバーゲン(動物の行動学の研究で、ノーベル医学・生理学賞を受賞)

 

政治家

リットン卿

 

俳優

クリストファー・リーブ

キアヌ・リーブス

 

ミュージシャン

マリア・ジョアン・ピリス ピアニスト

ポール・マッカートニー

スティング

鈴木重子

 

カリキュラムとして採用しているところ

音楽関係

ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団

メトロポリタン・オペラ

ロサンジェルスシンフォニー・オーケストラ

イギリス王立音楽院

ロンドン音楽演劇アカデミー

ギルドホール音楽演劇院

アメリカ合衆国のジュリアード音楽院

 

演劇関係

LAMDA(ロンドン音楽演劇アカデミー)

イギリスのRADA(王立演劇院)

ギルドホール音楽演劇院

セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ(セントラル演劇学校)

国立劇場

王立シェイクスピア・カンパニー

ジュリアード演劇院

ニューヨーク大学

アクターズ・スタジオ

アメリカン演劇アカデミー

ほぼすべてのアメリカ合衆国の演劇学校(俳優養成所)

日本大学芸術学部演劇学科

 

スポーツ

アーロン・ハント ドイツのサッカー選手。

出典は、写真スポーツ誌 Number 2006年2月 (643号)

カナダの陸上のナショナルチーム

ドイツの馬場馬術のナショナルチーム

スペインの馬場馬術のナショナルチーム

日本ダンススポーツ協会

 

その他

イスラエル空軍の戦闘機のパイロットの訓練

 

アレクサンダーテクニークの効果

アレクサンダーテクニークには、腰痛などの背中側の痛みに対するエビデンス(科学的証拠)がある。British Medical Journal ( Published 11 December 2008 ) に掲載された。詳細は、こちらをご参照ください(外部リンクで英語になります)。

 

また、このことはBBC放送のニュース番組でも取り上げられた。詳細はBBC放送のホームページへ。ニュース動画も見ることができます。