東京学芸大-2016年4月

東京学芸大学正門前‐2016年4月25日昨年に引き続き、4月27日(水)に、東京学芸大学教育学部の音楽専修の学生さんたちを対象にアレクサンダーテクニークのお講座を致しました。音楽専修入門セミナーです。簡単にご報告をします。

 

正門に着いたら、看板が新しいものに張り替えられていました。4月も下旬なので、昨年の4月の講座では楽しむことができた桜もさすがに終わっていて、緑が濃かったです。

 

朝8時50分からの1時間30分の授業です。

30数名の方たちにアレクサンダーテクニーク原理をお伝えしました。4名の方に前に出てきていただいてアクティビティのレッスンをしました。

 

東京学芸大学授業風景-2016年4月27日今回は、あがり、本番での過度な緊張をテーマにする方が多かったので、あがり、舞台本番での過度緊張、いわゆるステージ・フライトとは生理学的にどのようなことが起きているのかということを、多重迷走神経論ポリヴェーガル理論)を使って説明しました。

 

ステージフライトに関して、多重迷走神経理論を使った解説はこちらをご参照ください。

 

実は次にさらっとアレクサンダーの原理を説明してアクティビティのレッスンに移ろうと思ったのですが、生徒さんを見てプランを大幅に変更し、かなり詳しくアレクサンダーの原理について説明しました。

その後で、ピアノの方、ヴァイオリンの方、声楽の方、そしてピアノの方にレッスンしました。

 

アクティビティ

肩に力が入るピアニストの方とのレッスン-ショパン バラード3番

からだをぐにゃっとされる傾向があったので、アクティビティに至るまで時間をかけてレッスンをしました。ぐにゃっとすると、リラックスしてよいように誤解される方もいらっしゃいますが、「からだ」のなかの力の通り道が塞がれて、鍵盤に作用するための力や鍵盤から戻ってくる反力が、「からだ」のなかで無用な衝突を起こすので、うまく行きません。

 

アレクサンダーテクニークのインヒビション-?ディレクションを使って、伸びやかになる必要があります。

 

特に脱力しようとして、あるいは腕の重さで演奏しようとして、鍵盤に指が降りて行くときに、脇の下や二の腕や肩を押し下げる方がいらっしゃいます。そうなると、肩や腕の”力の通り道”が塞がれて、肩や腕や肘に負担がかかり、音の強弱や音の質のコントロールが難しくなります。

 

手が矢状面に近づくとき、あるいは右手が左へ行くとき、左手が右大きく動きとき、肩甲骨を内側に寄せやすく、それも肩の強張りに繋がりますので、注意が必要です。

 

レッスンでは、おもにその2点を行いました。

坐骨の方向を閉めしてる

坐骨の方向を閉めしてる

肩・肩甲骨・脇の下の方向を示す

肩・肩甲骨・脇の下の方向を示す

店舗の速い曲は身体が固くなるヴァイオリン奏者の方とのレッスン-ベートーヴェン スプリングソナタ

RIMG0074 他にも、

緊張すると手と足が震えて、ロングトーンがガタガタする

もっと柔らかい音を出したい

という課題をお持ちでした。

 

短い時間のレッスンですので、テーマを絞る必要があります。 素敵な演奏をされる方ですが、すこし胴体を”前に下に”潰して、胴体を薄っぺらくされる傾向があり、それが様々な課題の解決するじゃまになっているように思いましたので、そのことについてメインにレッスンすることにしました。

 

ヴァイオリンを構える

ヴァイオリンを構える

ヴァイオリンを構えるときには、まず楽器を方に乗せるとき、胴体特に背中側を潰しがちです。

 

そして、次に楽器に顎をのせるときに、頭を胴体方向に押しつけがちになり、それによって、さらに胴体の特に背中側が潰れます。

 

ですので、アレクサンダーテクニークのインヒビションとディレクションを使って、楽器を持ち上げるときに、胴体の奥行きを大事にしつつ、背中側が広く、楽器に顎をのせるときには、頭を左に向けてから、頭を傾けるときに、背中側や胴体の側面が上に広がることに注意を向けていただきました。

 

そのようにすると構えたとき、楽器を演奏するとき胴体がサポートされます。

 

 

半身のディレクション

半身のディレクション

飲み込みが早かったので、さらに私が半身のディレクションと呼んでいるワークをしました。

 

効果は上げ弓下げ弓がスムースになる。特に上げ弓と下げ弓の切り替えがスムースになります。

 

他にも大きな音を出すのも自由にできるようになりますし、いわゆる八の字の弓の動きが自然に身につきます。

 

 

 

 

ヴァイオリン演奏

ヴァイオリン演奏

そして、「からだ」にかかる負荷も減ります。

特に本番になると伸びやかさがなくなり、呼吸が浅くなるという課題をお持ちの声楽家の方とのレッスン-Lasciar d’amarti

声楽家の方とのレッスン

声楽家の方とのレッスン

次のような課題をお持ちでした。

本番になると緊張で呼吸が浅くなり息が持たない

声が震えて安定させられなくなりさらに焦ってしまう

緊張で全身が固まって、伸びのない声になる

「聴いてもらっている」という意識より「聴かれている」と考えてしまう

立っていられなくなりそうになる

 

歌う方は、重心を下に降ろそうとして、あるいは呼吸をお腹に入れようとする方が多いです。その方法でうまく行っている場合はそれでよろしいのですが、課題がある場合には、別の方法を行ったほうがよろしいかもしれません。

 

胴体の奥行きを思い出す呼吸のワーク

胴体の奥行きを思い出す呼吸のワーク

と申しますのも、その方法で課題がある方の多くは、「からだ」を下に押し下げたり、押しつぶしたりして、息が入ってくることを難しくしたり、腕の動きを制限したり、声帯を圧迫しがちなのです。

 

お友だちに後ろから捕まえてもらって、歩くのをじゃましてもらいます。普通は歩くことができません。

 

笑いながら「むり~」っていうお顔をされていました。

 

 

呼吸呼吸ところが呼吸に伴う全身の協調した動きを取り戻すと、動くことができます。私たちは正面にばかり注意が向いて、後ろ側を忘れがちです。聴衆も前にいますから、そうなりがちなのは分かります。

 

 

声楽家の方とのレッスン

声楽家の方とのレッスン

しかし、誰かに捕まえられていない場合にも、全身の呼吸に伴う動き、特に背中側を思い出すと、私たちの自由度は大きくなり、息が入りやすくなるのです。

あがりやすいピアニストの方とのレッスン

皮膚のボディマッピング

皮膚のボディマッピング

あがりやすく、震えてしまうという課題のあるピアノ奏者の方と「皮膚のボディマッピング:皮膚、皮膚。。。」を行っているところです。

 

今回は脚と腕についてのみ行いました。舞台の本番で、あがりやすかったり、過度な緊張をしたりする方の多くは、外界と私たちの境界である皮膚が曖昧(あいまい)になっていることが多くあります。

皮膚のボディマッピング

皮膚のボディマッピングを行うと、外界との境界がはっきりして、地面に脚が着地するようになる。

 

もう1度皮膚に注意を向けることで、筋肉の強張りが少なくなって、血行が良くなったり、自律神経系が落ち着いたりという効果があります。

 

今回体験された生徒さんは、ずいぶんと脚がしっかりしたとおっしゃいました。

 

この方とは課題の曲を演奏する時間がなく、申し訳なく思います。

結び

これを機会にまたあの方たちとレッスンする機会があるとよいのですが、先のことは分かりません。

昨年に引き続き、ピアニストの辰巳京子さんにアシスタントをしていただきました。

清水先生、学生の皆さん、辰巳京子さん、どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

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