2013年12月27日 更新の上掲載

初出 ブログ 2012年8月25日

1.はじめに

今まで生徒さん達にティモシー・ガルウェイの本をアレクサンダー・テクニークの参考書としてご紹介したことがあります。

 

また先日、twitterでも、ガルウェイさんのご本を紹介させていただきました。

 

しかし、アレクサンダー・テクニークを学ぶ方の多くは、ガルウェイさんを知らないし、逆にガルウェイさんのお仕事にご興味をお持ちの方は、アレクサンダー・テクニークをお存じないことが多い。

 

そこで、両者を比較して、簡単にまとめることにいたしました。

 

2.ガルウェイ

(1)履歴

ティモシー・ガルウェイという方は、アメリカ合衆国の著名なコーチングの方です。日本でも20年蔵前から著作が翻訳されています。

 

最近は、分かりませんが、10年前にCTIのコーチングの方にティモシー・ガルウェイのコーチングがCTIのコーチングと、どのような関係があるのか、それともまったく無関係なのか聞いてみたところ、がルウェイをまったく存じませんでした。どうやら、CTIのコーチングが日本に上陸した時点では無関係らしいです。

 

このガルウェイ さんは、もともとテニス・コーチでした。それも、かなり指導力のあるテニス・コーチです。Inner work of Tennisは日本語にも翻訳されました(邦題「インナーテニス」)

 

それが、あまりに評判がよかったので、スキーヤーの方たちが彼のところに習いに行くようになりました。そして、本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「インナースキー」)

 

さらに評判が評判を呼び、ゴルフ・プレーヤーが学びに行くようになりました。そして、本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「インナーゴルフ」)

 

そのうちに演奏家が学びに行くようになりました。そして、生徒さんのチェリストともに本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「演奏家のためのこころのレッスン」)

 

そして、さらに評判が高くなり、あるとき彼のもとに当時米国の反トラスト法(日本で言うところの独占禁止法)違反に問われたAT&T(ATと言ってもアレクサンダー・テクニークは全然関係なくて、日本で言うと、NTTみたいな会社)の最高経営責任者から、電話がかかってきました。
「重役たちを指導してほしい」と。

そして本を書きました。日本語にも翻訳されました(邦題「インナーワーク」)

 

つまり、とってもすごい人なのです。

 

 (2)ガルウェイのコーチングの内容

そのガルウェイさんの基本的な考え方は次のようなものです。

 

競技中に、例えばテニスの試合中に行われているのは、競技の相手を行うアウター・ゲームだけではなく、競技者自身の「こころ」のなかで行われている「インナー・ゲーム」もある。

 

そして、アウター・ゲームで、実力発揮できるようにするためには(あるいはそのために技術上達するためには)、インナー・ゲームを制する必要がある。

 

インナーゲームの登場人物は2人。

 

セルフ1セルフ2

 

セルフ1は、セルフ2に対して悪態を突き続け。セルフ2を厳しく批判し続ける(「批判」と訳したが、英語ではjudgeと言う。これは強い批難のニュアンスを含む言葉です)。

 

セルフ2 セルフ1が批判し、ジャッジする相手。個々の人々の潜在的可能性であり、実際の有益なお仕事をする(働く主体)。

 

そしてセルフ1がセルフ2のじゃまをするから、それをやめようねというのが基本ていな考え方です。

 

 3.ガルウェイのコーチングとアレクサンダーテクニークの似ているところ

ここまで読んで、「あれっ?」と思いませんか?

 

そうなのです。アレクサンダー・テクニークの理論とそっくりなのなのです。

 

アレクサンダー・テクニークではがルウェイのコーチングで言うところの、セルフ1を癖(くせ。habitの訳語)と呼びます。

 

しかし、アレクサンダー・テクニークの癖の方が、自分自身を責め続ける精神的な癖(くせ)だけではなく、肉体的に表れる「癖」を含むので、より広範な概念になっています(そもそもアレクサンダー・テクニークでは、こころとからだを分けていません)。

 

そしてガルウェイのコーチングのセルフ2に当たるものが、自分自身(セルフ)です。そしてアレクサンダー・テクニークのセルフの定義は、the unity of body, and mind、つまり、「こころ」と「からだ」が結びついて1つになったものと定義します(spiritを入れる場合もあります)。

 

そしてそのような「こころ」と「からだ」が結びついて一体となった自分自身を使うための方法がアレクサンダー・テクニークであると。

 

そしてアレクサンダー・テクニーク方法は、
自分自身に空間的・時間的な余裕を与える(インヒビション)。
そして、癖を防ぐために4つのディレクションと呼ばれる方向を与えます。

 

両者を比べたときのガルウェイのコーチングの利点は、次の通りです。
アレクサンダー・テクニークの方が、ガルウェイのコーチングに比べると、身体的・肉体的・精神的なわずかな癖の動きに気づく必要があり、

肉体的あるいは身体的な具体的な方向を与えることに習熟する必要があるので、

著作物を通じて伝えるのは困難です。

他方、ガルウェイのコーチングはメンタル面に特化していており、セルフ1とセルフ2に焦点を当てるので、非常に分かりやすく、入りやすいのです。

 

両者を比べたときのアレクサンダー・テクニークの利点は、それぞれの分野で上達の度合いが低い方たちが、それぞれの分野で上達するための具体的な方法論が備わっているところです(少なくとも私がお伝えするアレクサンダー・テクニークはそうです)。

 

ただガルウェイさんのコーチングの本が素晴らしいのは、物語性が豊かで、専門用語がほとんどなく、非常に面白いところでしょう。

 

 

 

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