私の先生、吉本武史先生は臨床心理士で、高田馬場の自ら主催されるヒューマン・グロウス・センターにて、現代催眠セッション講座をされていました。

 

この話は、2015年9月1日に妻の京子さんに話したことです。

 

アレクサンダー・テクニークを教え始めたのが2002年末から。その後2005年3月に脱サラして、専業で教え始めました。吉本先生と初めてお会いしたのは、2006年12月でした。

 

その前に、他のアレクサンダー教師を食い物にしている、ダークサイドに堕ちた某教師から、アルファベット3文字のコミュニケーション・メソッドを200時間ほどトレーニングを受けたのですが、吉本先生とお会いしたちょうどその頃は人生がうまく行かなくなってきた頃でした。

強力な暗示を掛けられて自由が効かない。。。

 

 

うまく行かなくなったと言っても、この頃プロの弦楽器のグループに教えており、教える技術はどんどん高くなっていましたし、そのレッスンを見学にいらした方から、楽器店で講座をするように依頼されて、2007年から楽器店で教えるようになることも決まったので、まったくうまく行ってなかったわけではありません。

 

ただ、もっとうまくいくはずのものがうまくいかない、まるで足かせが全身にかかった状態でした。

 

それで吉本先生に出会って、講座を受け始めました。私が先生から学んだ最大のことは、3つ。

 

1つめ、全身にかかっていた かせがとれたこと。

 

2つめ。生徒さんに何かをお伝えするのに、心理的な操作をする必要はまったくない。

 

3つめ。こちらが伸びやかで生き生きとして、生徒さんの可能性を発見すれば、後は見守っていたら、生徒さんが自分自身で自己の可能性を発見できるということです。

 

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京子さん「それって、アレクサンダー・テクニークといっしょじゃない」
私「そう。それが私のアレクサンダー・テクニーク。教える立場として、それをはっきり教えてくださったのは、吉本武史先生」

 

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もちろん、アレクサンダーの先生たちもそのように教えてくださった方たちもいます。今にして思えば。

そして私も吉本先生に出会う前にも、そのように教えていました。しかし、無自覚になんとなく行うのとはっきり自覚して行うのとではまるでコミットが異なります。そして、現れる結果も替わります。

 

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たまに他所でレッスンを受けられて、私のレッスンを受講された方から、

「変容のテンポが早い、ほんのちょっとでどんどん生徒さんが変わる」

「グループに入っているだけで、オーケストラの指揮者のように生徒さんたちに影響を与えていく」
などの驚きの声を聞くことがあります(たまたま、そういうことが重なっただけかもしれませんが。。。)。

 

それは生徒さんの可能性を信じているから。

そのように教えることができるようになったのは、吉本先生のおかげです。

 

 

先生は2011年2月に永眠されました。亡くなる前に、成長する企業の研究を始められて、その成果の一部が掲載され(「マーケティング・リフレーミング — 視点が変わると価値が生まれる」)、そしてそのお手伝いをされた清水良胤さんによって、その企業の成長と働いている方たちの幸福を同時に満たそうとする意欲的な試みは継続しています。

 

実は吉本先生はSomatic Experiencingのトレーニングを受けようとされていて、亡くなったので叶わなかったのですが、もし実現していれば、SEと催眠が融合されていたことでしょう。

 

吉本先生の催眠は、そりゃあすごかったですよ。まったく全然ふつうの会話のなかでするんだもの。そのお仕事は、少なくとも一部は精神科医白戸あゆみさん(吉本先生の生徒で、アシスタントを務められた)が引き継がれました。

 

私は催眠のセッションはしません。ただ吉本先生がおっしゃったように、私自身とそして生徒さんと深くコミュニケーションが取れる状態(催眠)に私自身がまず入ることを心がけています。そうしたら、生徒さんも周囲とつながりながら、自己につながれるのです。

 

アレクサンダー・テクニークでは、注意の統一場(unified field of attention)と呼びます。