更新の上掲載 2013年12月29日

初出 ブログ 2012年8月24日

 

今年2012年の4月下旬でしたが、アメリカナイズされたボオサノヴァ歌手としてご活躍されている鈴木重子さんが札幌の時計台ホールにて、「本当の声に出会う」というタイトルで、講座&コンサートをを開催されました。

 

事前に知ったので、札幌の生徒さんたちにご案内を出しました。と言いますのは、私は普段は東京を拠点にレッスンを行っているのですが、2007年以降、3ヶ月に1回くらいの割合で、札幌にも出張しているので、北海道にも生徒さんたちがいらっしゃるのです。

 

コンサートにいらした方たちによると、最初に鈴木重子さんはアカペラで歌い始められたそうです。そのときに彼女の歌声が会場全体に響いて、それで「すごく素敵!」だったと。

 

実は、鈴木重子さんはアレクサンダー・テクニークとの関わりがとても深い方なのです。

 

ちなみに鈴木重子さんの上記講座では、札幌でレッスンしているアレクサンダー教師として、私の名前をご紹介くださり、会場でチラシを配ってくださいました。

 

鈴木重子さん、主宰者のかねあいのおふたかた、どうもありがとうございます。

 

その鈴木重子さんが、以前ブログにも書いていらっしゃいました。

 

アレクサンダー・テクニークを学び始めてから、からだが「息の通る管」のようになったと。

 

実はこのことは、鈴木重子さんに限らず、アレクサンダー・テクニークのレッスンをご受講される多くの方たちが経験されることなのです。

 

では、なぜそのようなことを体験するのか。

 

私たちはいろいろなことを概ねうまくやっています。その証拠にこうして今生きています。

 

けれど、残念なことに、能力を出し切っているとは言い難いのです。

 

なにかをしようとするときに、すこし自分自身をじゃまする。

 

すなわち、
互いに拮抗筋である首の正面と後ろ側の筋肉を同時に緊張させ(共収縮という状態になり、頭部は胴体に押し下げられ)、

 

胴体の正面から腕に向かう筋肉と、胴体の背面から腕に向かう筋肉を同時に緊張させ(共収縮という状態になり、両方の方が「からだ」の中心に向かってめりこんでゆき、腋の下が押し下げられることによって、背中が狭くなり)、

 

人によっては、みぞおちから下のお腹を筋肉を緊張させることで、「胴体」の正面を縮ませ

 

人によっては、肋骨がついている胸椎のしたにある腰椎(背骨の一部)の後ろ側の筋肉を緊張させ(その結果背中が狭くなる)、

 

胴体の正面から脚に向かう筋肉と、胴体の背面のお尻から脚に向かう筋肉を同時に緊張させて、股関節を固めて、骨盤が斜め前方下に落ちていき、

 

その結果として膝や太ももに大きな負担を与え、

 

足のアーチ構造をつぶす。

 

 

私たちは、いろいろなことを上手く行いますが、以上のプロセスを瞬時に行う名人でもあります。

 

その結果、けがや故障で苦しんだり、活動中・活動後に「からだ」に違和感・痛み・ひどい疲れを感じたり、伸び悩んだり、ここぞという場面で実力を発揮できなくなります。

 

しかし、肉体的・精神的活動を始めるときや動きが大きく切り替わる際に、アレクサンダー・テクニークのプロセスを実行すると、

すなわち、すこしご自分に時間を上げて(インヒビション)、首が自由になるとの許してあげて、頭が前に上に、背中が長く広く(ということが多いのですが、実際には胴体全体が広くなり)、両膝が股関節と足首から前にそしてお互いに離れていくという方向(いわゆる4つのディレクション)を与えることで、

 

先ほど申し上げた「からだ」に滞りを与える癖(くせ)の動きから自由になることができ、 結果的に、今まで上手く行かなかったことがうまく回り始め、「からだ」から違和感や痛みが減ってゆき、中には全身が息や力の通り道になったように感じる経験をされる方もいらっしゃるのです。

 

最近になって、身言葉の1つ「お腹から声を出す」の謎が解けました。

 

お腹にはもちろん空気は入りません(横隔膜の腱中心はみぞおち周辺を上下しますが、肺は横隔膜の上にあるので)。

 

しかし、息を吸う時に横隔膜の下の腹腔の臓器たち(肝臓・胃・小腸・大腸etc.)が横隔膜によって押し下げられます。

 

よって内臓をボディマッピングすることで、呼吸が楽になることがあります。

 

実は数年前まで、「お腹から声を出す」とは、そういうことなのだろうと思っていました。

 

ところが数年前に気づきがありました。

 

実は「お腹から声を出す」とは、上記のことに加えて、さらに股関節を解放することと大きくかかわっていることが分かりました。

 

このことは実は管楽器奏者の方たちとレッスンしているうちにはっきりしてきたことなのですが、私たちは声を出す時に、存外股関節を固めやすい。

 

ところが、ご自分自身に少し時間を上げて、4つのディレクションを「適切」に与えることで、骨盤底筋群も解放され、声の響きが足の裏から地面に伝わるようになる。そして結果として喉にかかっていた負担から自由になる。

 

ここに来てようやく、私もF.M.アレクサンダー(1869-1955)の発見を再発見したようです(もちろんすべてをではない)。

 

 

あなたの本当の声に出会うためには、股関節を解放する必要があります。続きはレッスンで。

 

 

 

コラムの目次はこちらに。