昨日のNHKスペシャル、外出先のテレビで見ました。 趣旨は、腰痛のほとんどは恐怖が生み出す可能性があり、恐怖を克服できれば軽減できる可能性があるというものでした。   3か月以上の腰痛が続くことを慢性腰痛というそうです。 研究の結果、慢性腰痛の方たちのには、慢性腰痛のない方たちと比べるとある特徴が発見されたそうです。 それは脳のDLPFC体積小さくなるという変化です。

 

DLPFCというのは、番組のなかで紹介されていませんでしたが、背外側前頭前野のことです。以前別のNHKスペシャルで、うつ病の発病にも関係していると言ってましたので、なんとなくお馴染みな感じです。

 

  脳の回路になんらかの機能的な問題により腰痛が起こる、つまりこのDLPFCが小さくなると、痛みの回路の抑制が行われず、興奮が続き、幻の痛みを生むと福島県立医科大学菊地臣一先生という方がおっしゃっていました。

 

福島県立医大は、数年のNHKスペシャルの「病の起源 腰痛」にも登場したので、またもやおなじみです。

 

  DLPFCの体積小さくなるのは、強い恐怖心が原因で、強い恐怖心があると、DLPFCにストレスがかかり、DLPFCの体積が小さくなり、痛みの興奮が抑えられなくなる。 そこで、どうやったら、恐怖をなくして腰痛を治せるか?ということが課題になります。

 

教育映像で改善

そこで国を挙げて腰痛対策に乗り出して効果を挙げたオーストラリアの事例を取り上げました。 腰痛は怖くないよというテレビ・コマーシャルによって、腰痛患者が激減したのだそうです。 番組のなかでも、椎間板ヘルニアの手術の専門家の稲波弘彦先生が登場し、大部分の変形したヘルニアは放っておいても治ると語る動画を作り、腰痛の番組制作協力者に見てもらったところ、何割かの方たちはそれだけで改善しました。教育映像を見るだけで恐怖を手放して、DLPFCの機能が回復したのです。  

 

からだをそらすなどの動きをすることで、自信を取り戻し改善する人

教育映像を見るだけでは改善しなかった方たちの何割かの方たちが協力して、次の作戦に 移ります。 腰痛の専門家の松平浩先生が登場し、体を反らすなどの体操をしてもらいます。 反らしても痛い人は神経圧迫している可能性があるので、この方法はできないの、反らしても痛くない人たちが対象になります。 反らして痛くない人たちは反らす動きをしても痛くないという事実をよく分かってもらい、胴体を反らすことへの恐怖を手放してもらいます。

 

腰痛の方は恐怖のあまりに、胴体の正面を潰す方が多くなり、反らす動きを一切しなくなる方が多いのですが、自信を取り戻すのが目的なのだそうです。   そして、何割かの方たちは、恐怖を手放すことができ、痛みを改善できました。 痛い人は神経を圧迫するのでやめた方がよいが、大丈夫だと分かれば、怖さが減るのだそうです。  

 

認知行動療法

それでも改善しない人たちについて、オーストラリアの病院で認知行動療法を受けて、改善していく様子が紹介されていました。 動いても大して痛くないことに認識していただいたうえで、 目標を定め、記録を付ける。 自信を付け、恐怖を和らげる効果が 認知行動慮法にはあるそうです。

 

日本の厚労省も3年前に認知行動療法の腰痛に対する効果を認め、グレードAに引き上げ、その反対に手術は引き下げたという紹介がありましたが、このあたりは聞き逃しました。   NHKのホームページで番組の一部を見ることができます。詳細はこちらに。    

 

話が変わりますが、 2008年にBritish Medical Journalにアレクサンダー・テクニークの腰痛に対する高い効果が認められた旨のエビデンスが掲載されました。

痛みへの恐怖を手放すためには、その痛みを感じることに突進していくのではなく、全体を眺めることができるように自己に余裕を与える必要があり(アレクサンダー・テクニークのインヒビション)、からだを潰さずに動くようにディレクションを与えれば、全体性を取り戻して、痛いはずの場所にかかる負担が減るので、痛かったところに過剰に注意が向かなくなります。そして、結果痛みがなくなる。。。 アレクサンダーテクニークの腰痛に対する効果を生んだプロセスも、今回の番組で紹介されたもの類似するのでしょう。個人的にはアレクサンダーの方がプラス・アルファがあるように思いますが。。。