book-presen-15F.M.アレクサンダーの3作目の著作、”Use of the self”の横江大樹氏による訳本「自己の使い方」(私家版)が出版されました。

先週そのことを知り、先日予約とお振込みをし、そして今週半ばに私の手許に届きました。

“Use of the self”はご承知の通り、アレクサンダー・テクニークの教師ならば必ず少なくともトレーニング中に読む必要のある4つの著作の1つで、私も泣きながら一生懸命英語の原文に取り組んだ記憶があります。

トレーニングコースを卒業したら、2度と読むことはないだろうと当時は思っていたものですが、教師になった翌年の2004年にオックスフォードで開催されたインターナショナル・コングレスで、ワークエクスチェンジした、私と同じくなりたての女性の教師に、
「レッスンがうまくいかなくて、落ち込むことはないの?」
と聞いたら(何しろ堂々としていたから)、その女性が
「そういうときはFMの4冊の本を隅から隅まで目を通すのよ、そうしたら、元気が出るわ♪」
と答えてくれたので、それから折にふれて読みました。もっとも隅から隅まで1度に4冊とはいきませんが。
読むと確かにインスピレーションをもらえる本たちです。

あるいは、「F.M.アレクサンダーも発見していなかったことを発見してしまった!」と思ったときに読み返すと、トレーニングコースでは習わなかったけれど、しっかりF.M.が書いているという。。。

やはり発見者の本は重要ですね。

さて、横江大樹さんによる訳本の感想です。

”優れた翻訳は秀でた批評でもある”とは私が敬愛する若松英輔氏が「井筒俊彦 叡智の哲学」(164頁)に書いていますが、この横江氏による訳書も、すぐれた翻訳書であると同時に、この本とそしてアレクサンダー・テクニークに対する、秀でた批評であると言ってよいでしょう。

“Use of the self”の全訳は以前に別の方の日本語翻訳本が出ましたし、そちらも労作でしたが、横江氏に手になるこの訳本の方が、原文に忠実でいながらも、日本語として文脈がつながるように、意味がきちんと伝わるように工夫されているように感じました。

第1章に付された解説も適切であるし、
第1章の解説に当たる88から90頁目のアレクサンダー・テクニークの教師から受けた不適切なレッスンについては、私も同様の経験があり、またここに書かれた”帰納的”な方法でレッスンをすすめることについては賛成であるし、
後書きのアレクサンダー・テクニークの現状については、かなり踏み込んだ内容でありながら、中立性を保っているところに公平さを感じます。

アレクサンダー・テクニークについて、発見者自らものした原文に読み疲れたとき、あるいは日本語で読みたい方にとって、この訳本は福音となるでしょう。

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2003年1月以降のレッスンはこちらに。来年3月にかけて、東京、横浜を中心に、札幌、飯田、静岡、浜松、福岡、大牟田にも出張して、レッスンいたします。